造花の傀儡
名前変換
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サソリと名前はアカデミーでトップの成績だった。
特に、サソリは飛び抜けていた。
体術、忍術、幻術、既にいずれもアカデミー生のレベルを超えている。傀儡に関してはもうサソリに教えることができるのは里でもほんの一握りだろう。
天才としか言いようがなかった。
「サソリ、異例ではあるがおぬしを来年にも下忍にしようと話が出ておる」
今日は珍しくチヨが朝から家にいて、サソリと名前は稽古をつけてもらおうかと思っていたときだった。
「え?じゃあ僕もう卒業になるの?」
「サソリだけではない、名前もじゃ」
「…名前も?」
「それは良かったです。サソリ、共に任務に向かえますね」
2人はまだ7歳であったが、時代は優秀な忍びを戦地に1人でも多く送らねばならなかった。
2人のレベルであればアカデミーではなく、下忍として任務についた方がより成長できるだろうという上層部の考えであった。
「名前にはまだ早いよ…、僕がもっと稽古つけてあげるからもう少し先にしようよ、ね?チヨばあさま」
「…?」
「サソリ、名前を心配する気持ちはわかるが、お主ほどでないにしろ名前の実力もアカデミー生の範囲を超えておる。安心せい。初めはわしが信頼のおける上忍に頼んで任務に向かわせるゆえ」
それでもサソリの表情は複雑そうであった。
しかしこれは上からの決定事項でもあったため、サソリ達に拒否権はもともとなかった。
△
その夜、名前はサソリの部屋を訪ねた。
「サソリ、一緒に寝ましょう」
片手には枕を抱えていた。
「?、どうしたの?眠れないの?」
名前はサソリの広いベッドに潜り込むと向かい合って話し始めた。
「あったかいです」
「やっぱり名前不安なんじゃないの?急いで忍びになる必要ないよ。僕がもう一度掛け合ってもらえるようにチヨばあ様に話すよ」
名前は首を振った。
「違います。私は確かにまだまだ力不足ですが…」
名前はサソリの手を包むように両手で握った。
「約束したではないですか。ずっと一緒だと」
サソリは抱きしめてくれたあの時の暖かさを手に感じていた。
「…うん」
「だからこの手は離しません」
ーー名前は僕より弱いのに。それなのに…
それでもサソリはこの小さく柔らかい手に縋り付きたいような気持ちになった。
「絶対だよーー」
どんなことがあっても。
2人はそのまま眠りについた。
特に、サソリは飛び抜けていた。
体術、忍術、幻術、既にいずれもアカデミー生のレベルを超えている。傀儡に関してはもうサソリに教えることができるのは里でもほんの一握りだろう。
天才としか言いようがなかった。
「サソリ、異例ではあるがおぬしを来年にも下忍にしようと話が出ておる」
今日は珍しくチヨが朝から家にいて、サソリと名前は稽古をつけてもらおうかと思っていたときだった。
「え?じゃあ僕もう卒業になるの?」
「サソリだけではない、名前もじゃ」
「…名前も?」
「それは良かったです。サソリ、共に任務に向かえますね」
2人はまだ7歳であったが、時代は優秀な忍びを戦地に1人でも多く送らねばならなかった。
2人のレベルであればアカデミーではなく、下忍として任務についた方がより成長できるだろうという上層部の考えであった。
「名前にはまだ早いよ…、僕がもっと稽古つけてあげるからもう少し先にしようよ、ね?チヨばあさま」
「…?」
「サソリ、名前を心配する気持ちはわかるが、お主ほどでないにしろ名前の実力もアカデミー生の範囲を超えておる。安心せい。初めはわしが信頼のおける上忍に頼んで任務に向かわせるゆえ」
それでもサソリの表情は複雑そうであった。
しかしこれは上からの決定事項でもあったため、サソリ達に拒否権はもともとなかった。
△
その夜、名前はサソリの部屋を訪ねた。
「サソリ、一緒に寝ましょう」
片手には枕を抱えていた。
「?、どうしたの?眠れないの?」
名前はサソリの広いベッドに潜り込むと向かい合って話し始めた。
「あったかいです」
「やっぱり名前不安なんじゃないの?急いで忍びになる必要ないよ。僕がもう一度掛け合ってもらえるようにチヨばあ様に話すよ」
名前は首を振った。
「違います。私は確かにまだまだ力不足ですが…」
名前はサソリの手を包むように両手で握った。
「約束したではないですか。ずっと一緒だと」
サソリは抱きしめてくれたあの時の暖かさを手に感じていた。
「…うん」
「だからこの手は離しません」
ーー名前は僕より弱いのに。それなのに…
それでもサソリはこの小さく柔らかい手に縋り付きたいような気持ちになった。
「絶対だよーー」
どんなことがあっても。
2人はそのまま眠りについた。