造花の傀儡
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
サソリと名前がアカデミーに入学すると、2人はあからさまに注目を浴びていた。
2人とも際立って見目好かった。
しかし名前は他所の里の生まれだということもあり、対応は冷たいものだった。
しかしサソリは名前を自分の最もそばに置いておきたいので好都合だった。そしてその分、自分が名前に構った。
「名前、手合わせ僕と組もう!」
「名前お昼食べよう?」
「名前、うちへ帰ろう?あ、今日はいつもの演習場でクナイの稽古しようか」
「サソリ君!ねぇ、私たちにもクナイの投げ方教えてよ!」
「さ、行こう名前!」
毎度完全に取り残される女の子達はもうお決まりの光景だった。
皆一様に冷たくされて一度は心が折れる。
しかし容姿端麗、成績優秀、優秀な忍びの家柄、どこから見ても完璧なこの少年に必死に取り入ろうとする者は多くいた。名前に向けられる笑顔を自分たちにも向けて欲しくてあの手この手で関わりを持とうとした。
しかし本人は全て聞こえぬフリだった。
いや、本当に聞こえていないのか?
毎日嫉妬と妬みの視線に名前は晒されていたが、当の本人は少し残念そうにするだけでたいして気に留めていないようだった。
そして時にはこんな事もあった。
「名前ちゃんてサソリ君と一緒に住んでるの?」
「はい、この里にきてからずっとお世話になってます。稽古もサソリとお祖母様がつけてくれるんですよ」
「じゃあ今日は僕と演習場で手裏剣の練習…」
「名前は君より優れているから必要ないよ?ちょっと退いてくれる?」
「…」
勇気を振り絞り保護者面のサソリがいぬ間に名前に話しかけた少年は、いつの間にか背後にいたサソリに心太のように押し出されて黙って席を立った。
「名前、あーゆうのは無視していいから」
「サソリは逆に構わなさ過ぎです。女の子達を泣かせたのは何回目ですか?」
「だって、女の子ってうるさいんだもん」
「私も一応女です」
「名前は特別だよ。優しいし、賢いし、誰よりも美人だもの」
「…」
名前はいつかの心臓の鼓動が速くなる感覚を再び感じた。サソリといると何度かこういうことがある。
そしてそれはとても気分が高揚するのだ。
しかしそれは残念ながら表情に現れないのでサソリには伝わらないが。
そんなやり取りを遠目で見ていた少女たちがまた泣いていたのは言うまでもない。
2人とも際立って見目好かった。
しかし名前は他所の里の生まれだということもあり、対応は冷たいものだった。
しかしサソリは名前を自分の最もそばに置いておきたいので好都合だった。そしてその分、自分が名前に構った。
「名前、手合わせ僕と組もう!」
「名前お昼食べよう?」
「名前、うちへ帰ろう?あ、今日はいつもの演習場でクナイの稽古しようか」
「サソリ君!ねぇ、私たちにもクナイの投げ方教えてよ!」
「さ、行こう名前!」
毎度完全に取り残される女の子達はもうお決まりの光景だった。
皆一様に冷たくされて一度は心が折れる。
しかし容姿端麗、成績優秀、優秀な忍びの家柄、どこから見ても完璧なこの少年に必死に取り入ろうとする者は多くいた。名前に向けられる笑顔を自分たちにも向けて欲しくてあの手この手で関わりを持とうとした。
しかし本人は全て聞こえぬフリだった。
いや、本当に聞こえていないのか?
毎日嫉妬と妬みの視線に名前は晒されていたが、当の本人は少し残念そうにするだけでたいして気に留めていないようだった。
そして時にはこんな事もあった。
「名前ちゃんてサソリ君と一緒に住んでるの?」
「はい、この里にきてからずっとお世話になってます。稽古もサソリとお祖母様がつけてくれるんですよ」
「じゃあ今日は僕と演習場で手裏剣の練習…」
「名前は君より優れているから必要ないよ?ちょっと退いてくれる?」
「…」
勇気を振り絞り保護者面のサソリがいぬ間に名前に話しかけた少年は、いつの間にか背後にいたサソリに心太のように押し出されて黙って席を立った。
「名前、あーゆうのは無視していいから」
「サソリは逆に構わなさ過ぎです。女の子達を泣かせたのは何回目ですか?」
「だって、女の子ってうるさいんだもん」
「私も一応女です」
「名前は特別だよ。優しいし、賢いし、誰よりも美人だもの」
「…」
名前はいつかの心臓の鼓動が速くなる感覚を再び感じた。サソリといると何度かこういうことがある。
そしてそれはとても気分が高揚するのだ。
しかしそれは残念ながら表情に現れないのでサソリには伝わらないが。
そんなやり取りを遠目で見ていた少女たちがまた泣いていたのは言うまでもない。