造花の傀儡
名前変換
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「アカデミー?」
「そうだよ、僕も忍びになるから今年からアカデミーに通うんだよ。名前も一緒に行くでしょ?」
サソリは里きっての傀儡師の孫だ。当然忍びになるつもりであったし、周りにもそう望まれている。
「…サソリは、私が一緒に忍びになればよろこんでくれますか?」
「もちろんだよ!だってずっと一緒だよって約束したでしょ?」
名前はただうなずいた。
サソリが自分に求めてくれることは何でも叶えたかった。
サソリはその夜、嬉々として帰宅したチヨの元へ走っていく。
「チヨばあ様!名前も僕と一緒にアカデミーに行きたいって」
「名前が?そうなのか?名前」
「はい、私もサソリと一緒に忍びになりたいです」
チヨは名前が忍びになりたいという理由が思いつかなかった。故郷でもない里の忍びになりたいだろうか。いや、名前の場合月隠れの里で忍びになりたいと思ったかどうかも不明だが。
名前はチヨのそばに寄り、その服の端を摘んで言った。
「サソリの隣にいたいのです」
名前が忍びになりたいのは、本当にそれだけの理由なのだろう。チヨは名前の意思の強さと同時に危うさを感じていた。
「…そうじゃな、名前はちと事情が特殊じゃ。一度上と相談してみんとな」
上、というのは風影のことであった。
後日チヨが風影の元を訪れて、名前がこの里の忍びになりたいと言っていたと話した。そこには風影以外の上役も何人かいた。
「ほー、あの娘がそんなことを。良いのではないか?忍びとしてこちら側にいた方が我々も監視しやすい。何より戦力は少しでも増やしたい」
「風影様!お言葉ですが危険では?まだあれが月隠れの刺客という可能性もあるのですぞ!」
「左様です。どんな小さな不安因子でも対処すべきです。…やはりもっと厳重な監視下に置くべきでは…」
よそ者の名前を上役達は快く思っていなかった。
一度は攻撃を受け、怪しい呪術や実験をしていたような不気味な里を今でも警戒していた。
「しかしあれだけ調べて何もなかったであろう。それにあの子は実に聡明じゃ。里のために力になる」
チヨの説得にも上役達は難色を示した。
「使い物にならなければどうする」
「まぁ、朔の国のものなら使い捨ての駒にするにはちょうど良いか…」
「なんじゃと?」
チヨが詰め寄ろうとした。
「よせ、幼子にそのような非人道的な行い、勝手は許さぬぞ」
「…」
風影の鋭い目に上役達は黙り込むしかなかった。
「よい。俺が許可する。ただしこれからも監督は怠るな。よいなチヨばあ」
「御意」
こうして風影の後押しもあり、名前のアカデミーの入学は許可された。
「そうだよ、僕も忍びになるから今年からアカデミーに通うんだよ。名前も一緒に行くでしょ?」
サソリは里きっての傀儡師の孫だ。当然忍びになるつもりであったし、周りにもそう望まれている。
「…サソリは、私が一緒に忍びになればよろこんでくれますか?」
「もちろんだよ!だってずっと一緒だよって約束したでしょ?」
名前はただうなずいた。
サソリが自分に求めてくれることは何でも叶えたかった。
サソリはその夜、嬉々として帰宅したチヨの元へ走っていく。
「チヨばあ様!名前も僕と一緒にアカデミーに行きたいって」
「名前が?そうなのか?名前」
「はい、私もサソリと一緒に忍びになりたいです」
チヨは名前が忍びになりたいという理由が思いつかなかった。故郷でもない里の忍びになりたいだろうか。いや、名前の場合月隠れの里で忍びになりたいと思ったかどうかも不明だが。
名前はチヨのそばに寄り、その服の端を摘んで言った。
「サソリの隣にいたいのです」
名前が忍びになりたいのは、本当にそれだけの理由なのだろう。チヨは名前の意思の強さと同時に危うさを感じていた。
「…そうじゃな、名前はちと事情が特殊じゃ。一度上と相談してみんとな」
上、というのは風影のことであった。
後日チヨが風影の元を訪れて、名前がこの里の忍びになりたいと言っていたと話した。そこには風影以外の上役も何人かいた。
「ほー、あの娘がそんなことを。良いのではないか?忍びとしてこちら側にいた方が我々も監視しやすい。何より戦力は少しでも増やしたい」
「風影様!お言葉ですが危険では?まだあれが月隠れの刺客という可能性もあるのですぞ!」
「左様です。どんな小さな不安因子でも対処すべきです。…やはりもっと厳重な監視下に置くべきでは…」
よそ者の名前を上役達は快く思っていなかった。
一度は攻撃を受け、怪しい呪術や実験をしていたような不気味な里を今でも警戒していた。
「しかしあれだけ調べて何もなかったであろう。それにあの子は実に聡明じゃ。里のために力になる」
チヨの説得にも上役達は難色を示した。
「使い物にならなければどうする」
「まぁ、朔の国のものなら使い捨ての駒にするにはちょうど良いか…」
「なんじゃと?」
チヨが詰め寄ろうとした。
「よせ、幼子にそのような非人道的な行い、勝手は許さぬぞ」
「…」
風影の鋭い目に上役達は黙り込むしかなかった。
「よい。俺が許可する。ただしこれからも監督は怠るな。よいなチヨばあ」
「御意」
こうして風影の後押しもあり、名前のアカデミーの入学は許可された。