造花の傀儡
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「もう失敗して何体目だ?」
「さぁ…データを見ればわかりますが、およそ150体くらいでしょうか…サンプルのDNAももう残りわずかですね」
世は戦火の真っ只中であった。
五大国を中心に、小国を巻き込んだ国境付近での争いはますます激化していた。
今まで何とかこの土地を死守してきたここ朔の国の忍び里、月隠れの里にもその火の粉がさらに大きく降りかかろうとしていた。
彼らは大国と渡り合えるような忍びの力を持ち得ない。
「この実験がうまくいかなければ…我々はどこかの五大国に飲み込まれるしかないのでしょうか」
「それだけはならん。この国の秘密まで奴らに奪われるわけにわいかない。我ら朔夜の一族は選ばれた一族だ。必ずや我らだけの平和を手に入れるのだ」
里の中心。山を削り、その中腹に建てた巨大な建物の中。白衣を着た人間がそこで大勢忙しなく動き回っていた。
「アサヅキ様!」
「チッ…また失敗か!もう全部試したんだぞ!リサイクルできそうなサンプルは残ってないのか?!」
「ち、違います…!サンプルの1つが…順調に発生しています!今までなかったことです!」
「なんだと?!誰のDNAだ?!」
「…それが…名前博士のものです」
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