左手のゆびきり
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斎藤さんの大切なもの、
それは忠義だと言った。
そして今、
その忠義を尽くすために白河城という城に、
たった二人で向かっている。
きっとこの場所で、
私はこの力を使い切るんだろう。
…もっと早かったら、迷惑かけずに済んだのにな。
ねえ、
あっという間だった。
あなたが、いてくれたから。
いつも私を導いてくれるその背中を、今も追いかけている。
長かった髪は短くなって、
着流しは洋装になって、
もうすぐ、
さよならなんだよね。
「伏せろ!」
低く鋭い斎藤さんの声が飛び、
わらわらと湧いてきた兵が切り捨てられる。
大丈夫、
まだ大丈夫。
私は自分の中に滾る血を、なんとか御していた。
だって、斎藤さんが守ってくれるから。
そして。
城の最奥にたどり着いたとき、
ここなんだなって悟った。