交錯★アフタースクール
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―――放課後。
学級委員になってしまった春は、教材準備室から新しい教科書の束を抱えて教室へと向かっていた。
なってしまった、というのは―――なんと人望の厚い斎藤くんが学級委員も受け持つことになってしまい、手伝ってくれないかと言われ断れなかったのだ。
重い……
よたよたと教室に入ると、風紀委員の仕事から帰って来たらしい斎藤くんがびっくりしたような顔でこっちへ駆け寄ってきた。
「百瀬、お前教材など運ばされていたのか…!」
「あ、いいの!大丈夫だよこれくらい………っあ」
春は思わず教材を手放しそうになった。
斎藤くんの手が教材を支えようとした拍子に、春の手にぴったりと重なったのだ。
そして。
「~~~っ!!」
バラバラバラッ。
二人は同時に顔を赤く染め、同時に反射的に手を離した。
散らばる教科書。
「す、すまない…っ」
「ごめっ…」
そして、そして。
同時にしゃがみ込んだ二人の顔は、前髪に吐息が掛かるほど近くになる。
「~~っわ、わたし!取りに行かなきゃ!」
あまりの緊張に目的語を忘れているが、春はもう一束の教材を取りに行くべく―――というよりはこの場を脱すべく、踵を返した。
(うわぁぁぁ…斎藤くんとあんな近くに…っ!)
まだ頬が冷めないまま、春は階段を逃げるように駆け上る。
き、気まずい…けど、仕事しなくちゃ…!
春は準備室へと向かおうとし―――
しかし、踊り場で思わぬ事故が起きた。
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