アタック★メロメロ修学旅行(後編)
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「よし、それじゃあくじ引きだ」
原田先生の合図で皆が一斉にくじを手に取る。
えいっと引いてみると、その先は―――
「…春、一緒だな」
赤い印は原田先生と一緒のチームを表していた。
「原田先生、ズルはいけませんよ」
沖田先輩が不服そうに呟く。
「そうそう!なんで男二人で肝試しなんざ……」
新八先生も不満のようだった。
「何だよ、ズルなんかするか。それよりお前、早く行って豊玉発句集読まねえのか?」
原田先生がにっと笑って見せると、新八先生も沖田先輩も顔を見合わせた。
そう、豊玉発句集とは皆にとって甘美なる響きを持つスイーツのようなものなのである。
「春ちゃん、何かあったら大声で僕を呼ぶんだよ」
沖田先輩はむずむずとする気持ちを押し止めてそう告げた。
「左之になんかされたら迷わず叫べ!そんじゃ、行くぞ総司!」
二人は豊玉発句集を手に僅かな残像を残して夜闇へ消えていった。
「ったく、あいつら…まるで俺が狼みてえな言い種だな」
やれやれ、と原田先生は肩を竦める。
原田先生の横顔はやはり、とても綺麗なものだった。
普段目にするよりも色気が増している。
何を話そうかと、静寂の中春が押し黙っていると。
「……なあ、春」
「はいっ!?」
原田先生の方から口を開いた。
春は不意を突かれどきりとして裏返った声で答えた。
「な、なんでしょう!?」
すると、原田先生はふっと笑って。
「…そう構えるなって。お前の信用はねえかも知れねえけどよ、ちっとは安心してくれ」
そう言われると、春も頷くしかない。
彼の隣でちゃんと安心したことがあっただろうか。
「……はい」
ぽん、と頭を撫でられて、ぎこちない笑みを返しながら春は頷いた。
―――しかし。
「でも、こんなに密着するのはどうかと…思います」
沖田・新八ペアの帰りを待つ二人は、まるで二人三脚のようにぴったりとくっついていた。
原田先生が春の腰に手を廻していて、逃げられないのだ。
「まあ細かいことは気にすんなよっ!そろそろあいつらが帰ってくる頃だな」
原田先生は半ば強引に、春と密着したままスタートを待っていた。
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