アタック★メロメロ修学旅行(後編)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「はぁっ…沖田、せんぱ…っ!も、だめぇっ…」
「あれ、僕はまだまだイけるんだけどな」
何やら如何わしい声を上げているこの二人が手にしているものは―――
卓球の、ラケットだ。
「あっ、そこ、だめ…っ!」
「聞くと思う?」
「ずる、い…っ!」
カコン、カコンと小気味の良い音を立てて、ピンポン球が行き来する。
「いいけど、春ちゃん…また浴衣はだけてるよ」
「えっ?…あ!」
「やっぱ温泉といえば卓球だよねぇ」
春ははだけた浴衣を必死で併せながら、ピンポン球を追った。
「そうだ。面倒だから浴衣脱いじゃおうか」
「なっ…ダメですっ…!」
「えー。つまんないのー」
と、そこへ―――
「お前ら!こんな開けた場所で何やって……」
慌てて駆け込んできたのは、原田先生だった。
先程の如何わしい声を聞き付けて来たのだろう。
「って、卓球かよ!?俺はてっきり…」
「なんですか原田先生。せっかくいいところだったのに」
ふい、とつまらなさそうに沖田先輩はピンポン球を止めて弄ぶ。
##NAME1##はさっとその隙に浴衣を直した。
原田先生の後には新八先生も連れ立っていた。
「何だよ、連れねえな。面白え遊びを提案してやろうってのに」
「ふうん?…聞いてあげてもいいですよ」
沖田先輩は『遊び』という言葉に敏感に目を光らせた。
くすりと笑って、色っぽくさえある視線を原田先生に投げ掛ける。
「ふっ…これを見ろ」
新八先生が自慢気に取り出したのは――――
「それは…豊玉発句集!?」
あわあわと春はみるみる内に青ざめていった。
豊玉発句集と言えば、あの土方先生の森ガール的一面がこれでもかと詰まった非常にオイシイ一品である。
「今から肝試しをする」
原田先生は愉しげに告げた。
「今回生徒の不足でがら空きになったこの旅館の最奥に、じゃんけんで勝った一組がこれを置いてくる。んで次の一組が取ってくる。―――どうだ?」
どうだ、ではない。
豊玉発句集を盗まれたのがバレたら、皆の命すら危ういのだ。
だが―――
「いいですね、それ。やりますよ、ね、春ちゃん」
「いや、わたしは…」
「……やるよね?」
「……ハイ……」
「因みにこの旅館……出るぜ」
長年修学旅行の付き添いをやってきた新八先生が、低い声で告げ―――
肝試しは幕を開けた。
</font>