ドキッ★桃色体育祭-最終輪舞編-
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「あ…天霧さん!!」
「間一髪でしたね…」
「くっ…」
いけない!!斎藤くんは今は帳簿を持っていない!!
どうしよう…天霧さんは丸腰で力を発揮するっていうのに…!!
そうこうしている内に、わたしは腕を易々と掴まれてしまった。
「面目ありませんが、貴女には来てもらいます」
「待てっ!!そいつを放せ…!!」
「斎藤、今の貴方は丸腰だ。帳簿を取りに行くのが得策です」
そう言って、天霧さんは風の如く駆け出した。
―――いくら何でも早すぎるよ天霧さん。
そうしてわたしが連れて来られたところは―――
「風間、さん…」
げっ。
わたしは心の中で呟いた。
「やっと来たか、我が嫁よ」
「嫁じゃありません!!」
「ふん…そんなことを言っていられるのも今の内だ。さて、接吻するぞ」
「いやああああそれだけは後生ですからぁぁぁ!!」
「素直になれ、嫁。チアリーダー姿、似合っていたぞ」
――見てたのね。
すると風間さんがぐいと近寄ってきて唇を近づけてくる―――
もう、絶体絶命だ。
そう思ったとき―――
「うおおおおっ!!」
大きな雄叫びと共に突っ込んできた人物、それは。
「近藤…校長先生…っ!!」
まさしく、その人だった。
しかし様子がおかしい。
理性を失ったかのように、風間さんに説教を始めた。
「おのれ、女子を誘拐した挙げ句セクハラなどと…許さん!!成敗じゃ!!」
と、うんたらかんたら。
わたしが呆然としていると、他の先生や生徒の皆が駆けつけてくる。
「春、無事かっ!?」
「は、はい…」
今やすっかり風間さんが圧されていた。
そこに加勢が加わり、不知火さんや天霧さん相手に先生と生徒が徹底的にこてんぱんにしている。
「風間様、ここは一旦引きましょう…!」
「ふん、仕方あるまい…学園の犬よ、次は命が無いと思え…」
「だからお前その代表だろ」
ふ…っと風間さんたちは消えるように逃げていった。
わたしたちがほっと一息ついた頃、フォークダンスが終わりを告げる。
みんなでその炎を見つめていると、なんだかふっと笑みが零れた。
「…楽しかったですね、体育祭」
「ああ」
斎藤くんが頷く。
「来年も楽しみにしてるからね、春ちゃん」
と沖田先輩。
「また襲われてもオレたちが守ってやるからさ!」
平助くんが言って、原田先生と土方先生がにっと唇を引く。
「平助、お前は自分の身を案じろよ」
「だな」
―――と。
「あっ…近藤校長は…!?」
わたしが言った途端、皆ははっと顔色を変えた。
向こうにはまだ荒れ狂う近藤校長がいた。
そこへ。
「…大丈夫ですよ、皆さん」
眼鏡をかけた白衣姿の先生が現れた。
「山南さん、あんた…」
保健医の、山南先生だ。
「校長は少し喉が渇いているだけなので、こちらのトマトジュースを」
「だからそれはどう見ても輸血パッ…」
「…山崎くん、何か?」
ともあれ、こうして無事に近藤校長も正気を取り戻し―――
わたしたちの体育祭は終わりを告げた。
つづく★