ワガママ★屋上ブロッサム
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困った。
訳あってお昼ご飯の後校舎を出たわたしは、実に厄介なことに巻き込まれたような気がする。
わたしは手元の紙へと目を遣る。
「……ん?」
白日の下でよく見なかったから気づかなかったけど、それはどうやらテスト用紙のようだった。
先ず目に入ったのは、名前欄。
『二年 一番組 沖田総司』
そして―――
「ぷっ…!」
答案欄を見て、わたしは思わず吹き出してしまった。
そこには黒いペンで、でかでかと絵が描いてあったのだ。
『土方先生殿』という文章付きで。
「に、似てる…っ」
笑っちゃ失礼なんだけども!
これは上手い…!
…と、笑ってる場合じゃない。
わたしは階段を見上げて悩んだ。
『沖田総司』という名前は、知っていた。
なんでも頭が良くて格好よくて、学校の有名人らしい。
逆光で顔はよく見えなかったんだけど、どうしよう。
いや、でも確かに「春ちゃん」って呼ばれた…よね…?
なんでわたしの名前知ってるんだろう…。
うーん。
この間の原田先生の件もあって、階段を上るか上るまいか、わたしはとにかく悩む。
うん、でも…。
周りを見回すと、みんな普通に階段使ってるんだよ、ね。
お昼休みも残り少ない。
よし。
これが本人のテスト用紙かとか、色々わかんないけど―――
わたしは意を決して、階段へと向かった。
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