交錯★アフタースクール
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ドンッ
―――落ちる。
何が起きたのかも解らぬまま、ただそれだけが頭に浮かんだ。
ぎゅっと目を瞑り、衝撃を待つ。
「…っと、危ねぇ…」
………え?
痛みの変わりに感じたのは、手首と腰への温かさだった。
「え……?」
まだ何が起きたか理解できず、春は恐る恐る目を開けた。
そこには―――
「原田、せんせい……」
「よっ…と」
へなへなと力が抜けそうな春の身体を、原田先生の大きな腕が抱え上げて階段の縁から離す。
「怪我はねぇな?」
「はっ、はい…あの、助けて頂きありがとうございました…!」
「いや、俺も前見てなかったから悪かった」
優しく微笑む原田先生は、さすが生徒たちに人気なだけある。
「ところで、こんなトコで何してんだ?」
部活見学なら別棟だよな、と原田先生は言う。
その通り、部室はすべて別棟にあるし一年生の教室は一階で、階段の上には二年生や三年生の教室や資料室しかない。
「あの、わたし学級委員なので教材を運んでる最中なんです」
「あぁー…成る程な」
原田先生は納得したように頷いてから、ふと眉根を寄せた。
「そりゃ良いんだが…学級委員は二人だろ?確か三番組は斎藤」
「あ」
不意に斎藤くんの名前を出され、春は先刻のことを思い出してまた恥ずかしくなってきた。
「…?まあ知らねぇが、二階や三階は一人で来るな」
「え?」
予想だにしていなかった言葉に、春は首を傾げた。
そんな話は聞いていない…と思う。
「次から気をつけりゃいいさ。今日は俺がついててやる」
「?はい…」
訳がわかっていないのに気付いているだろうけれど、原田先生はそれ以上何も言うつもりはなさそうで、春は腑に落ちないながらもその申し出を断れないのだった。
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