Sweet Tragety
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「……ねえ、春#NAME1##ちゃん」
いつしか雨が上がり、日射しが畳に落ちていた。
紫陽花は無粋に色を失くす。
「やっぱり君のこと、殺してもいいかな」
長い髪を梳いて、額に口づけると彼女はくすぐったそうに首を竦めた。
「そしたら、恨んで恨んで、僕のこと一生忘れないでいてくれるかな」
視界がひどく白んで、果たして言葉もしっかり吐けているかわからない。
「―――駄目ですよ」
けれど胸に抱くこの感触だけは、
いつまでも消えないでほしいと願った。
「そうしたら、総司さん泣いちゃうでしょう?」
だから駄目です、と彼女は事も無げに言う。
笑った拍子に、咳き込んだ。
「少しだけ」
自分の咳の音で、うまく聞き取れない。
ただ知っていた、
「少しだけ、長生きしてあげます」
君の手に握られた、小さな刀。
ねえ、
目が覚めたら、
その時はまた、恋をしよう。
「……おやすみ……」
「…おやすみ、なさい…」
きゅっと小指を絡めて、
二人は眠る。
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