Sweet Tragety
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焦ったように言葉を継いだ。
「……やめてくれないかな」
無数のように広がる畳の目、天気は今日も良くない。
「そうやって犬みたいに僕が死ぬの待ってて楽しい?不愉快で休めもしないんだけど」
―――どれだけ君が隣にいただろうか。
弱音も非道い言葉も、たくさん吐いてきた。
いつだってそうだ、君の睫毛が瞬く音にほんの少し慰められて、瞼が開けばまた嘘みたいにほんの少し幸せな光が待っていた。
焦った。
早く君の中から僕を消さないと、いけなくて。
「―――どっか行ってよ」
君が幸せになれる場所へ。
此処じゃなければどこでも良い、今日君を訪ねてきた呉服屋の男だろうと、前に来た花屋の男だろうと。
けれど心の中では、また「しょうがないな」って顔をしてくれることをいつも望んでいた。
「―――はい」
答えにならぬ、しかし全ての答えになるその一言が沈黙を裂いて。
彼女は静かに出ていった。
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