忘年会に行こう!
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「………あのなあ」
ざりっ、と石の擦れる音と共に、白い息のまとわりつく高台のベンチに彼は私を抱き抱えて座った。
星がきれい。
必死に瞬いて横を振り返れば、ぺちっと額に冷たい指が当たった。
「―――無防備すぎ」
暗い暗い中に目を凝らせば、ほんのりと赤い頬にどきりとする。
夢なら夢でいい。
私はきっと赤い髪を両手に包んで、
口づけた。
「……っ」
どちらともなく発した吐息が静かに谺する。
やがて私の腰をぐっと引いて、彼は私を覆うようにキスをし返した。
ああ、夢なんだろうか。
それならもうちょっとだけ、さめないで。
「…春
原田さん、原田さん。
声にならない言葉を繰り返して息を継ぎ、再び口づける。
「す、き……です…」
「俺の台詞だな」
ぎゅっ、と抱かれて、
そのまま初日の出が見えるまで、私たちは口づけ合っていた。
彼の髪が赤く輝く頃に、
私たちはしっかりと指を絡め合う日々を。
ずっと一緒にいられますようにと願って。
*end