水蜜桃
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「えっと…どうも…?」
私はその欠片を手で取ろうとするけれど、そうすると彼の手は逃げて、また私の口許に桃を運ぶ。
「………」
二、三度繰り返したところで、折れたのは私だった。はあ、と息を吐き、薄く口を開く。
すると沖田さんが「ほい」と私の真似をして、その桃を私の口に放り込んだ。
「…ん」
あまぁい。
まんまるなその食感が口一杯に広がる。
「……全然美味しいじゃないですか」
「嘘だ」
私の抗議の声を、沖田さんは一言で切り捨てる。
そして。
ぐいっと顎を掴まれたかと思うと、
そのまま上を向かされた。
「っなにす…!」
「甘さが足りません」
「…ん…」
私の口は、降ってきた口づけに塞がれた。
舌の中にもう一度、甘い桃の味が広がる。
「……どっちが美味しい?」
ぺろりと唇を舐めて言われては、私は骨抜きになってしまう。
「……こっち、が」
私はくるりと沖田さんに向き直って、目一杯の爪先立ちでその唇を食んだ。
桃よりこっちのが美味しくて、どうにかなっちゃいそうだね。