君の隣で。
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「ダメだ」
「ダメじゃないです!」
夕餉の後、湯浴みから上がってきた斎藤に私も入りたいと言い出した春に、斎藤はぴしゃりと言った。
だが春も引き下がろうとしない。
「ね、傷口は絶対清潔にした方がいいんです」
だからお願いしますこの通り、と頭を下げる春に、ついに斎藤は圧された。
「……だが、風呂までは俺は付き合わんぞ」
「あっ、当たり前です!」
春は流石にそんなところまで着いてこられたら困る、とそそくさと風呂へ逃げた。
そして、約四半刻。
湯浴みを終えた春が部屋へ戻ると、斎藤が手拭いを持って待ち構えていた。
「あの…斎藤さん?」
「何をしている、早くこちらへ来い」
―――こんなに幸せで、私は大丈夫だろうか。
春は思わず頬を綻ばせながら斎藤のもとへ駆け寄り、胡座をかいた膝の上へちょこんと座った。
同時に柔らかく、斎藤の持つ手拭いが春の髪を拭いてくれる。
春はふと、疑問に思ったことを口にしてみた。
「斎藤さんも、髪の毛長いですよね?」
「…見ての通りだが?」
「いつも、解かないんですか?」
「風呂に入るときは解く」
へえ、と春は横に結んだ斎藤の髪を手に取った。
「解いたところが見てみたいです」
がばっ、と斎藤は突然後退りをした。
「いでっ」と悲惨な声を上げて、春は床に落とされる。
「すっ、すまない…」
「いやいや、なんでそんなに慌ててるんですか?」
お尻をさすりながら、春は問う。
すると。
「あとは…寝る時しか、解かない」
と顔を赤くしながら言うので、春が目を輝かせたのは言うまでもない。
「斎藤さん」
「……………なんだ」
「今日は添い寝して下さい」
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