愛妻家の煩悩
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「あー…皆、話しておきてえことがある」
夕餉の刻、俺は咳払いをして少し上擦った声で言った。
―――どうも、こういうのは慣れねえ。
「ん?なんだよ左之、改まって」
新八がのほほんと言ってくれる。
こちとら緊張でどうにかなっちまいそうだってのに。
俺はもう一つ咳払いをすると、言った。
「結婚、することにした」
愛妻家の煩悩
「ふーん………って、ええええっ!?」
「笑えない冗談はやめてよ、左之さん」
「…何を改まって言うかと思えば」
「ほ、本当かね原田くん!?それは…宴にせねばなるまい!!」
皆、それぞれにらしい反応をする。
平助に至っては金魚みてえに口をパクパクさせてやがる。
……にしても、冗談ってなんだよ冗談って。
「いや、冗談じゃない。本当だ」
唯一土方さんにだけは話しておいて正解だと思った。
このままじゃ笑い飛ばされて終わりそうだからな。
「して…お相手はどちらの女子なんだ!?」
まるで父親みてえな事を言う近藤さんに、心底助かったという思いと―――これから起こる反対の嵐を予想する複雑な思いを、俺は全身で感じながら。
「こいつと、です」
隣の春を抱き寄せて、言った。
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