はじめくん、がんばる。
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「斎藤さんの………」
俯いた春の唇が、すう、っと息を吸った。
気づいた斎藤は、それを塞ごうとしたんだ――――
けれども。
「どんかんーーーっ!!ばかーーーっ!!むっつりすけべーーーっ!!」
はじめくん、がんばる。
伸ばした手を目にも止まらぬ速さでひょいと避けると、春は袴を翻して走っていった。
……全く、猫みたいな女だ。
否、それどころではない。
境内にまで響き渡るような大声が、誰の耳にも届かない訳はなかった。
「ぷっ…あはははは!!春ちゃん最っ高!!」
いつの間にやら襖から顔を覗かせた沖田が、これ以上はないというほどひーひー言いながら笑っている。
「むっつりすけべって…あははは!!本当に言うと思わなかったなあ…ぷふっ!!」
「………総司。春にその言葉を教えたのはお前か」
斎藤は思い切り沖田を睨んだ。
「え?やだなあ、僕は本当のこと…あっははは!!」
―――話にならない。
「で?今日は何をしちゃったのかな?」
まだ笑いで声を震わせながら、沖田は問うた。
「…わからん」
「ぷっ…あは、あはははは!!」
暫く思い巡らせて答えた斎藤の答えに、またも沖田は爆笑した。
じとり、と斎藤は沖田を睨める。
「…ねえ、一君」
「………なんだ」
また揶揄されるのかと若干警戒をしながら、斎藤は沖田を睨み付けてぶっきらぼうに答える。
だが沖田は真面目すかして言った。
「一君が『どんかん』な理由、教えてあげようか」