ゆびきり
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「―――それは」
それは、君がいる限り、ということだろうか。
この子には、勝てない。
「ふふっ…君ってさ、何て言うか」
なんだろう。
考えてもわからない。
だけど笑いが止まらないのだ。
僕は、幸せ者だ。
僕が今静かに泣いてることも、きっと彼女は気づいている。
いくら肌を重ねても、もっと何かが欲しがった。
いくら唇を重ねても、僕は君の持ち得る言葉を全部吸い尽くして知ることだって出来なかった。
覚えられる限りの君を、全部覚えたかった。
知りたかった。
君の目になって、君の心になって僕を映して。
笑う瞬間の意図も、泣いた理由も、全部わかりたかった。
「…僕はたくさん人を斬ってきたけど」
うん、と彼女は頷く。
君は僕とは正反対に、僕の考えている全てをわかっているみたいで。
「その人たちも、同じように愛する人がいて、こんな風に…こんな想いをしてきたのかな」
だとしたら因果応報だ。
死ぬのが怖いと感じたのは初めてのことだった。
君の仕草も君の表情も、全部、忘れちゃうのかな。
だけど君にはどうか、忘れないでいて欲しい、なんて。
僕は何処まで、未練がましいのだろうか。
たとえ何年君が僕を思い出して泣こうとも、その心に居座っていたい。
「……ねえ」
ずっと、忘れないでいてね。