悪戯-恋慕-
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「……春?…春」
数杯あおった頃。
楽しそうに笑っていた春が不意に押し黙った。
―――酔っている。
とろんとした熱っぽい目に長い睫毛が影を落とし、今までに見たこともない色っぽさが漂っていて、斎藤は思わずどきりとする。
「大丈夫か」
この薄暗さと着物や調度品の色彩のせいだ、と思い込もうと、斎藤は軽く居直る。
すると―――
「…っ!?」
その膝に暖かいものが置かれ、声にならない声を上げてしまう。
見れば、それは春の華奢な手だった。
弾かれたように焦って顔を上げると、切なげに伏せた春の目が一段と艶やかに見えた。
「斎藤、しゃん…なんだか、身体が…」
―――明らかに、酔っている。
斎藤は困惑した。
「み、水を貰って来よう…!」
なんとかこの場を脱するべく立ち上がろうとする、
が。
「行かな…で…」
縋るように袖を弱々しく握り、春はいやいやと頭を振る。
「だがっ…!」
為す術もなく固まる斎藤の胸に、
春は突然頬を寄せた。
「なっ…何をしている…!」
心臓が跳ねるようにばくばくと脈打つ。
だが、そんな斎藤の様子を知ってか知らずか、春は嬉しそうに笑った。
「斎藤しゃん…お会いしたかったれす…」
舌っ足らずな口調で言うと、春は更に斎藤の頬に片手を添え、潤んだ目で見上げる。
「……………俺も、だ」
完全に真っ白になった頭で、気付けばそう答えていた。
「ん…」
春は満足げな声を漏らし首をもたげると―――
ちゅっ。
「~~~っ!!!」