春散りぬれど、夢染めて。
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鮮やかすぎた季節の色は、
今も尚。
<body background="http://id11.fm-p.jp/data/357/meltk1ss/pri/5.gif">――春散りぬれど、夢染めて。
日々はまるで悪い夢でも見ていたかのように、驚くほど穏やかに過ぎていく。
幾つかの痕を残したまま。
惜しまれ散った桜の花も、
また咲く。
「…副長」
相変わらず地味な服装で、しかし街ゆく人と較べると何処か洗練されすぎている彼は、
風もかき混ぜずに振り向いた。
小さく、一礼。
「やめろっての、その呼び方は」
苦笑する、彼は短くしたままの髪を掻き上げる。
整った顔は前にも増して役者のようだ。
「土方さん遅いよ~!!もう始めちゃってるぜー?」
まだ無邪気な声を跳ねさせる彼。
その表情は、なんとなく落ち着き。
少しだけ大人っぽく、笑う。
「よう、待ったぞ」
対して飄々とした彼の、
時折見せていた向こう見ずな危うさは消え、年相応の色香が漂う。
「ま、僕は土方さんが来なくても一向に構わなかったんですけど」
彼は、毒づいた。
「……総司」
尖った眼差しではなく。
心地よい風のように。