副作用、恋。
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―――誰に渡すんだろう、こんな想い。
綺麗にラッピングされたチョコレートを何の予定もない土日の居間で見つめて、わたしは一人考えた。
自分で食べるというのも有りだ、現に今だってあのきらきらした彩りを見たい気持ちに偽りはない。
だけど―――
「…んん」
呟いて布団に潜る。
なんで消えないんだろうか、
くちびる、感触。
――――――――――――――――――――
「っあー!!てめぇら散れ!!鬱陶しいんだよ!!」
土方さんの怒号が鳴り響いた。
「ひっどーい!食べてくれたっていいじゃないですか!」
「好意ですよ、好意!」
嗚呼……一年前に経験しているものの、相変わらずこの空気には慣れない。
わたしはパソコンの液晶を睨みながら、そっと斜め前を見遣った。
「あー、ちょっと待っててくれな。あと三分で終わる―――」
もう、帰っちゃうんだ。
わたしももうすぐ終わりそうだけど、三分どころじゃ片付きそうにない。
「ねー原田さん、ディナー行きません?」
「あっ、ちょっとずるーい!」
「とにかくー、チョコ食べてよー」
ちらりと視界に白いものが入った。
『メッセージカードお付け致しますか?』
不意にそんな声が蘇ってきて、わたしは思わずがこんと音を立てて立ち上がっていた。
コーヒーカップと四角い箱を手に給湯室に駆む。
「はあっ……」
シンクにカップを置くと、わたしは乱暴に包装紙の端を引き裂く。
中から出てきた淡いピンク色の箱を開けようとした、
その手は止まった。
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