White Valentine
夢小説設定
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「百瀬くん、いい加減起きて下さい」
「んー山南せんせえ…もーちょっとだけ」
「駄目です。掃除当番の方々に迷惑でしょう」
「……けちー」
まさしく不貞寝をしていたあたしはむっくりと布団から起き上がる。
「はぁぁ…まーいっか」
終業のチャイムは鳴ったし、廊下から騒がしい話し声がするからホームルームも終わったんだろう。
出来れば誰とも顔を合わせたくなかった。
至極ゆっくりと教室へ向かう。
―――よかった、すっかり人の姿はない。
のろのろとマフラーを巻いて帰り支度をする。
はーあ。
こんなことならさっさと告白して振られちゃえばよかったな。
なにが哀しくて二年連続、チョコレートを捨てる羽目になるんだか。
あたしはしっかりと戸締まりされたベランダへ避難する。
「はぁっ………」
あの日と同じ曇り空。
そっと柵の外へ、チョコレートの入った箱を持った手を出す。
―――ばいばい。
そう呟いて手を離す。
その、はずだった。
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