ギブミースマイル。
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「「「…え?」」」
春、という名を急に出され、土方と君菊、原田と彼女以外の人間は目を丸くして、座敷は音を失くした。
「あらあら、なんでその娘の名がわかったんでしょ。ね、春はん?」
君菊が、温かな祝福とも取れる言葉を紡いだ。
「原田はんがめっきり遊びに来ない言うて泣いとる娘もぎょうさんおったけど、なんや大事な娘がおったんやなぁ。そら仕方ないわぁ」
原田の腕に抱かれた彼女の指が、ぎゅっと彼の着物を握る。
「せや、春はんは新選組の旦さんに惚れとるんやったよって、この中にその旦さんが居られるんとちゃう?」
「おう、そりゃ気になるな。どんな男だ、春」
外野そっちのけで、君菊と土方はどんどんと核心に迫っていく。
「おっ…女ったらしで、短気で…」
くすくすと女郎たちから笑いが漏れる。
「でもっ、優し…くて、大好きな、ひとです…っ!」
「せやな、やからこんなとこで危ない目遭うてもその旦さんのために頑張ってたんやったなぁ」
もう言葉はなかった。
きつく抱き締める原田の腕に応える春の手が、それを証明している。
原田は春の身体を軽々と抱き上げた。
「っ原田さん、なにっ…!?」
「―――君菊さん、急で悪いが」
「へえ。奥に一部屋、空けておりますよって」
呆然とする隊士たちに「大騒ぎしてけ」とだけ告げると、原田は座敷を後にした。