ギブミースマイル。
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「禿立ちしたばかりなんどすけど、なんや人見知りが激しいよって…」
深々と頭を垂れ、そして目を伏せたまま固まる女を、君菊が諭すように座敷に上がらせた。
「まだ呼び名も決まってへんけど、堪忍しておくれやす」
確かに目を瞠るような美人だった。
その証拠に、座敷は一瞬しんと静まり返るほど。
「これは…えらい別嬪さんが居たもんだな」
近藤が感心したように呟く。
禿立ちというだけあって女郎と呼ぶには相応しくない幼い顔立ちではあるが、艶やかな着物に映えて却って美しい。
「…旦さん、お傍に行かせましょか?」
「おう、左之がいいってなら俺の酌してくれ、嬢ちゃん!!」
「いや僕のお酌してほしいなあ」
君菊の問いに名乗りを挙げたのは新八や総司、その他あらゆる隊士だ。
「バカ野郎、俺が酌してもらうに決まってんだろ!」
原田の隣にいた女郎が笑って席を立ち、彼女は戸惑いながらその席へ足を踏み入れる。
「嬢ちゃん、そんな緊張しなくても取って食いはしねえよ」
たどたどしい手つきで酒を注ぐ彼女に、原田は優しく声を掛ける。
「かーっ、美男はいいねえ!!その上お手柄だしなっ!」
「ああ、左之のお陰で制札も守れたからな」
―――制札。
その言葉に、彼女ははっとしたように顔を上げた。
「お怪我は、されませんでしたか!?」
突然の変貌ぶりに、原田は少し驚き―――
そして。
「………無事だよ、春」
ぎゅ、っとその身体を抱き締めた。