第一章 ドールショップ プティ・ロマラン
数日後、ドールショップに新たな騒ぎが持ち上がった。
ローズマリーが新しいヌイ子達の弟を縫って、持ってきたのだ。
「グルルル……クルナ……!ヨルナ……!」
低い唸り声とともに現れたのは、イヌ(ウルフドッグ)のぬいぐるみ、ウルフ。
片目が隠れた白髪に、赤い瞳に青い体。
クールな見た目とは裏腹に、彼は凶暴な狂犬そのものだった。
ローズマリーが近づこうとすると牙を剥き、ちゅー子が「遊ぼうでちゅ!」と誘っても威嚇するばかり。
ルイベルに至っては、怖くて部屋の隅で震えていた。
「はあぁ…♡ウルフったらワイルドで素敵ねぇ……!」
ローズマリーはそんな彼さえ愛でるが、ヌイ子は冷めた目で一言。
「うるさいわね。静かにしてほしいんだけど」
「……!!!」
その瞬間、ウルフの目がヌイ子に釘付けになった。
グレーのロングヘアが揺れる姿、透き通るような青い瞳、自分を一欠片も恐れない、クールで気まぐれな態度……。彼は一目で恋に落ちたのだ。
「…ふうん、あんた犬なのね。じゃあ、お手できる?ほら、お手。」
ヌイ子が、低く唸る猛犬に恐れることなく歩み寄り、手を差し出す。
「ヌイ子お姉さん、危ないよ…」
ルイベルの心配を他所に、ウルフは急に大人しい忠犬のようになり、くぅん…、と「お手」をした。
「ふふっ…、上手ね。それじゃあ、次はお座り。」
「ワンッ」
「待て」
「ワンッ」
「ふせ」
「キューン……。」
「あらあらまあまあ、すっかり手懐けちゃったわねぇ…!」
すっかり感心して拍手をするローズマリーに、ヌイ子は片手で髪を整えクールに一言。
「私にかかればこんなものよ」
それから、ウルフの様子が変わり始めた。 シュンと大人しそうに耳やしっぽが垂れ、威嚇する回数が減った。
ちゅー子、ルイベル達のボール遊びに混ざり、本を読むヌイ子に紅茶を運び、ローズマリーのお手伝いもするようになった。
ある日、ローズマリーが不思議そうに「最近おとなしいけど、どうしたの?」と尋ねると、彼はカタコトで答えた。
「オレ、ヌイ子…スキ…。オレ…言葉…勉強…スル……」
ローズマリーは目を輝かせ、彼を抱き締めた。 ウルフは必死に言葉を覚え、少しずつ「まとも」になっていった。
そして、運命の日が訪れた。
お茶の時間が終わり、みんながテーブルを囲む中、ウルフが立ち上がった。
「ヌイ子…オレ…話ス…」
彼の声はまだ不器用でカタコトだが、真剣そのものだ。
ヌイ子は紅茶のカップを置いて、クールに彼を見上げる。
「ヌイ子…オレ…スキ…。大スキ…。ツキアッテ…コイビトドウシ……ナリタイ……。」
ウルフの顔は真っ赤で、尻尾が小さく震えている。屋根裏部屋が一瞬静まり返った。
ルイベルとローズマリーは固唾を飲み、静かに見守っていた。
……ちゅー子1匹だけはマカロンを食べるのに夢中だったが。
ヌイ子は静かに口を開いた。
「ウルフ、気持ちは分かったわ。……でも、私にはその気はない。ごめんなさいね」
クールで容赦ない言葉に、ウルフの耳がシュンとしおれた。
だが、彼は目を閉じ、ゆっくりと頷いた。
「オレ…ワカッタ…。ダガ…アキラメナイ…。オレ、ヌイ子…アイシテル……。」
そう呟いて、ウルフは静かに席に戻った。
ルイベルがウルフの肩をぽんと叩き励まし、ローズマリーが涙ぐむ中、ヌイ子は小さくため息をついた。
「……まぁ、勝手にすればいいわ……」
ヌイ子はそう呟き、ティーカップをテーブルに置いた。
ローズマリーが新しいヌイ子達の弟を縫って、持ってきたのだ。
「グルルル……クルナ……!ヨルナ……!」
低い唸り声とともに現れたのは、イヌ(ウルフドッグ)のぬいぐるみ、ウルフ。
片目が隠れた白髪に、赤い瞳に青い体。
クールな見た目とは裏腹に、彼は凶暴な狂犬そのものだった。
ローズマリーが近づこうとすると牙を剥き、ちゅー子が「遊ぼうでちゅ!」と誘っても威嚇するばかり。
ルイベルに至っては、怖くて部屋の隅で震えていた。
「はあぁ…♡ウルフったらワイルドで素敵ねぇ……!」
ローズマリーはそんな彼さえ愛でるが、ヌイ子は冷めた目で一言。
「うるさいわね。静かにしてほしいんだけど」
「……!!!」
その瞬間、ウルフの目がヌイ子に釘付けになった。
グレーのロングヘアが揺れる姿、透き通るような青い瞳、自分を一欠片も恐れない、クールで気まぐれな態度……。彼は一目で恋に落ちたのだ。
「…ふうん、あんた犬なのね。じゃあ、お手できる?ほら、お手。」
ヌイ子が、低く唸る猛犬に恐れることなく歩み寄り、手を差し出す。
「ヌイ子お姉さん、危ないよ…」
ルイベルの心配を他所に、ウルフは急に大人しい忠犬のようになり、くぅん…、と「お手」をした。
「ふふっ…、上手ね。それじゃあ、次はお座り。」
「ワンッ」
「待て」
「ワンッ」
「ふせ」
「キューン……。」
「あらあらまあまあ、すっかり手懐けちゃったわねぇ…!」
すっかり感心して拍手をするローズマリーに、ヌイ子は片手で髪を整えクールに一言。
「私にかかればこんなものよ」
それから、ウルフの様子が変わり始めた。 シュンと大人しそうに耳やしっぽが垂れ、威嚇する回数が減った。
ちゅー子、ルイベル達のボール遊びに混ざり、本を読むヌイ子に紅茶を運び、ローズマリーのお手伝いもするようになった。
ある日、ローズマリーが不思議そうに「最近おとなしいけど、どうしたの?」と尋ねると、彼はカタコトで答えた。
「オレ、ヌイ子…スキ…。オレ…言葉…勉強…スル……」
ローズマリーは目を輝かせ、彼を抱き締めた。 ウルフは必死に言葉を覚え、少しずつ「まとも」になっていった。
そして、運命の日が訪れた。
お茶の時間が終わり、みんながテーブルを囲む中、ウルフが立ち上がった。
「ヌイ子…オレ…話ス…」
彼の声はまだ不器用でカタコトだが、真剣そのものだ。
ヌイ子は紅茶のカップを置いて、クールに彼を見上げる。
「ヌイ子…オレ…スキ…。大スキ…。ツキアッテ…コイビトドウシ……ナリタイ……。」
ウルフの顔は真っ赤で、尻尾が小さく震えている。屋根裏部屋が一瞬静まり返った。
ルイベルとローズマリーは固唾を飲み、静かに見守っていた。
……ちゅー子1匹だけはマカロンを食べるのに夢中だったが。
ヌイ子は静かに口を開いた。
「ウルフ、気持ちは分かったわ。……でも、私にはその気はない。ごめんなさいね」
クールで容赦ない言葉に、ウルフの耳がシュンとしおれた。
だが、彼は目を閉じ、ゆっくりと頷いた。
「オレ…ワカッタ…。ダガ…アキラメナイ…。オレ、ヌイ子…アイシテル……。」
そう呟いて、ウルフは静かに席に戻った。
ルイベルがウルフの肩をぽんと叩き励まし、ローズマリーが涙ぐむ中、ヌイ子は小さくため息をついた。
「……まぁ、勝手にすればいいわ……」
ヌイ子はそう呟き、ティーカップをテーブルに置いた。
