第一章・第1幕【18年後の世界~未来から戻ってきた後の現代まで】
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誰の家かは分からないが、中へ失礼させてもらいシャルティエのある部屋の扉を開けると、涙声のシャルティエと対面することになった。
『?!…ぅう、スノウーー!!!ごめんなさい!僕が何も出来ない役立たずでぇええ!!』
「え?どうしたんだい?シャルティエ…」
シャルティエのその物凄い剣幕に若干後ずさったが、中へ入りシャルティエを優しく持ち上げる。
「すまないね。迷惑をかけたみたいで。」
『うぅ、スノウも無事でよかったですーーー!!!僕は…僕は何も出来なかったんですー!!!』
「そんなことは無いよ。だって気絶していた私を気遣って残ってくれたんだろう?それだけで嬉しいよ。」
「うぅ、昔のモネみたいに優しくて懐かしいですが……!スノウには沢山言いたいことがありますが、ともかくご無事で何よりです!!!奴から逃げてきたんですか?」
「逃げてきたというか、逃がしてくれたというか……」
『……??』
デートなんて言葉を使おうものならきっと非難の言葉を浴びるだろうし、ここは誤魔化しておいた方が良さそうだ。
「それよりシャルティエ、現状を教えてくれないか?ジューダス達が危ないかもしれないんだ。」
『え?坊ちゃんたちなら偽の依頼を掴まされて、今頃居ない敵を探しているって、奴が…』
「なんだか嫌な予感がしてね。……無事ならいいが。」
『え?!な、なんか不安ですね…!?行きましょう!?スノウ!!』
「そうだね。…でも今の私に彼らを追う資格もない、か…」
私のせいで彼らを危険な目に遭わせてしまった。
辛い思いをさせてしまった。
そんな私は彼らとここで別離の道を歩んだ方がいいかもしれない。
そんな私の弱音を聞いてシャルティエが息を呑んだ。そして叱咤する。
『スノウ、どうしたんですか?そんなこと言うなんてスノウらしくありません!!一人になろうたってそうはいきませんよ?!地獄の果てでも僕達は追いかけますからね!?』
「シャルティエ…。でも、私は彼らを危険な目に遭わせてしまった。私の存在が……彼らの邪魔をしてしまった。……すまない、分からないんだ。一緒に居てもいいのか、と。」
『スノウ…。なんで、なんでそんな寂しいことを言うんですか?坊ちゃんたちはスノウが起きるまでずっとこのハイデルベルグで待ってた!!それじゃ、答えになりませんか…?!』
優しい言葉をかけてくれる彼を机に置こうとするとコアクリスタルが激しく明滅した。
『嫌だ!置いていかないでくださいよ?!!どこにも行かないで!!?どうして君はいつも勝手に居なくなるの?!!どうして僕たちをもっと頼ってくれないの?!!』
「…私はいつも、君を悲しませてばかりだ。」
『分かってるなら善処してくださいよ!?』
「ふふっ、すまない。少し弱気になっていた。でも、答えは見つかりそうにないな…。」
『それなら、まずは坊ちゃんたちと会ってからにしてください!!彼らはきっと止めますよ!!ええ、絶対止めますとも!!!』
「ふふっ、そうかもね。……逆に彼らが私に嫌気が差してくれていたら、……私も楽なのかもしれないね…」
『スノウ!!駄目ですよ!!!そんな弱気になっちゃ!!さ、行きましょう!坊ちゃんたちを探しますよー!!』
「ふふっ、君を置いていくのも手だと思うけど?」
『ええ?!!なんでその選択肢があるんですか!!!』
コロコロ変わるシャルティエに笑いが止まらなくなる。
前世、リオンが女装して攫われてしまった時を思い出したよ。
あの時もコロコロと変わる話題に救われたね。
『スノウ、真面目な話なんですけど…』
「??なんだい?」
『スノウの武器は壊れてしまって新たな武器を手に入れたわけですけど…、それって今までと違う系統の武器ですよね?折角なら僕を使ってみませんか?』
「…本気かい?」
『スノウって一応肩書きは考古学者ですし、僕を拾って使っていてもおかしくはないと思うんです。前の武器をモネの遺品として使ってたスノウなら別に不思議では無いですよ?それに!!僕だってお役に立ちたいです!!坊ちゃんはなるべく話すなって言うし、僕だって皆と喋りたいんです!!!』
「…ふっ、あっはっはっ…!!シャルティエ…、君、最後の言葉が真実だろう?」
『悪いですか!?僕だって一応生きてるんですからね!!?』
「ふふっ、あー…可笑しい…!」
『全然っ、可笑しくないです!!!僕にとっては切実な願いですよ!!?』
「ふふっ、分かったって…!」
涙が出そうになりながら笑っていると遂にシャルティエが不貞腐れてしまった。
でもその声音はどこか嬉しそうで、スノウもそれを感じていた。
「ふふっ、本当に君は面白い。」
『笑い事じゃないですぅーーー!』
「…はぁ、……シャルティエ。君の申し出、折角だけど断らせてもらうよ。」
『なんで!!』
「君の活躍の場所はここではないからさ。それに、私が持っていても宝の持ち腐れだ。ジューダスが持っていた方が何倍も宝になる。君達はもうとっくの昔から相棒なのだから。」
『……ですが…』
「シャルティエ。一つお願いがあるんだ。」
『……前みたいなお願い事は却下ですからね?』
いやに不貞腐れた口調が子供らしく、可愛らしい。
前のお願い事……、確か前世で海底洞窟でお願いしたんだったかな。
「ふふっ。シャルティエ?そんなに不貞腐れないでくれ。」
『場合によっては坊ちゃんに言いつけてやります。』
「おぉ、それは怖い怖い…。」
『全然怖くなさそうです。』
「ふふっ、ごめんって。……じゃあ、言うよ?私からのお願い事、それはね?“どうか、ジューダスのことを頼んだよ”」
『っ!!またその願いですか?!嫌です!!そんなお願い事は却下です!!却下!!』
「お願いだ、シャルティエ。私は最早、長く生きられない。」
『そんな…、だってあいつには勝てたじゃないですか!?』
「他にも私の命を狙うものがいると知ったんだ。」
『……修羅とか言うやつですか?』
「彼は違うよ。」
『じゃあ誰なんですか?教えてくれるまでその願い事は受け付けませんよ!!』
「……君に言ったら、その願い事を聞いてくれるんだね?」
『え、いや、ちゃんと内容を吟味してからですよ!!!』
慌てた様子の彼に苦笑を滲ませる。
願いを聞いてくれなくとも、彼ならやってくれそうではあるが言っておくに越したことはない。
だから願うのだ。
私が居なくとも、やっていけるように。
『……前世での坊ちゃんの死因、以前モネだと言いましたよね?』
「うん?そうだね。私が彼を苦しめていた。それは確からしい。」
『坊ちゃんは…、モネが死んだという事実に耐えられなくて……心が、壊れたんです。それで自殺をした……』
「……え?だって、彼の死因は戦死だと…」
『それはあくまで史実に残された偽の事実。皆は虚偽の報告をしたんです。モネ、君に関しても皆は虚偽申告をした。』
「私が裏切り者で彼と仲が良かったから、彼を苦しめていたとばかり…。」
『坊ちゃんはそんな事じゃへこたれませんよ。寧ろ、モネそのものがいないことに……絶望したんです。あの時の坊ちゃん、皆と喧嘩になったんです。あのリフトをあがった先で…、皆に剣を向けたんです。お前らがモネを殺したんだって、お前らが見殺しにしたんだって……』
「……まさか、そんな事……」
『全て真実です。必死で皆、止めてくれたんです。でも坊ちゃんは…遂に心が壊れて……僕を……』
「……」
まさか、そんな事になっていたとは。
仲間達が……スタン達がいるから大丈夫だと思っていた。私が織り成す影響などないと信じて。
彼の死の出来事に私は頭を押え、力なく項垂れて震える吐息を吐き出した。
「……可能であるならば、本当に君達と出会う前に戻りたいと願う。」
『……スノウならそう言うと思っていました。でもね、僕はそうは思わない。坊ちゃん……モネと出会ってからみるみる人が変わっていったんです。他人をあんなに寄せつけなかった坊ちゃんが、モネと出会って変わった。人としても、成長していったんです。』
「……」
『信じられませんか?そうですね…、君と出会って坊ちゃんはまず、君に負けたくないと嫌いな稽古を頑張るようになったんだ。』
「……リオンが、稽古が嫌い?」
それは初耳だ。
確かにヒューゴの英才教育でかなりの量の勉強や剣術を習ったと解釈していた。
だけど、まさか稽古が嫌いだったとは…。
『うん。坊ちゃん、あの時は負けなんて経験しなかったから、いつも続けていた稽古も少しだけ物足りなかったんだ。でも、君に負けて初めて負けを経験して、坊ちゃんそれから稽古の量を増やして毎日毎日飽きもせずに頑張ったんだ。君に勝つためだけにね?』
「そうだったんだ…」
『他にもさ、君と出会った事で表情が柔らかくなってね?他の兵士にも話しかけられるようになったんだ。』
それは思ったことがある。
最初の頃の彼は凍てつく視線で敵を射抜いていて……それはもう、仇敵を見るような目だった。
それが会う回数を重ねていくと、徐々に反応も見られて、笑う様になって……。あの船で別れた時なんてとびきりの笑顔を見せてくれたよね?
あれにどれだけ心の中ではしゃいだか……君は知らないだろうね。
『モネ。君と出会って坊ちゃんは君を、時には“宿敵”として。時には“友”として君を見ていたんだ。人として、こんなに変わるなんてと思ったよ。坊ちゃんは君と出会って変われた。だから僕はこの出会いが無い方がいいなんて思えないんだ。』
「……」
『君は未来を知っている。でも、そこには君がいる未来がない気がするんだ。それはどうして?』
「それは……」
『君が見る未来はどんな未来?それは本当に坊ちゃんが救われる未来?坊ちゃんが幸せだと感じられる未来なの?君が居なければ死んでしまうような坊ちゃんが、君が居ない未来で幸せだと思うの?』
「……っ」
耳が痛い話だ…。
私が彼らと関わってしまったことで、君への救済をしていたと思っていた私が結果、間接的に君を殺してしまった。
もうどうしようもない過去。
でも、未来は変えられる。
でもその未来はジューダスが…生きてて良かったと思える未来だと言えるのだろうか。
しかし裏切り者の私が彼らと共に生きて、旅をしてこの世界を救うなんて、許されないとも思えるのだ。
そんなことを言えば原作のジューダスに申し訳ないけどね…。
でも、君の災難を私は一身に受けた。だから君は楽に今世を生きて欲しい。
誰にも縛られず、何にも縛られない自由な君でいて欲しい。
その願いは私が…、私だけが願っていること?
『ねぇ、モネ。君は前世で坊ちゃんの災難を請け負ってくれた。それは本当に感謝してる。でもね、僕は君が居ない未来を思い描きたくないんだ。坊ちゃんと君、2人揃って在る未来が見たいんだ。例え、この旅の終焉が来たとしても…、坊ちゃんと一緒にいて欲しいんだ。僕の願い…叶えてくれないかな?』
「……極力、善処はするよ。でも一つだけ言わせてくれないかい?もし、ジューダスや君達に脅威が降りかかろうとしたら、私はどんなことをしても君らを守る。それだけは分かってくれないか?」
『分からない。そんなの、分からないよ。どうして君一人で背負おうとするの?なんで皆と立ち向かっていかないの?どうして、一人になろうとするの?』
「……私が邪魔者だからさ。この旅の障害…、それは私の存在だ。彼らにはちゃんと生きてもらわなければならない。私の命に懸けても。」
『……どうして、そんなに自分を卑下するの?坊ちゃんの想いは…?僕の想いは、邪魔なものなの?』
「……」
『僕達はモネに生きていて欲しい。その僕達の想いは君が知っている未来の中で排除しなければならないものなの?』
「そうだよ、シャルティエ。その想いはあってはならないんだ。」
『……嫌です。そんな未来、お断りだ…!!モネ、君は生きる資格がある!それは誰しもが持っている資格なんだ!!この世で生きてはいけない人なんていない!!そんな世界なら壊れてしまえばいい!!!』
「っ!?」
悲痛な叫びが私の心に刺さる。
君はどうして、そこまで…!
『モネ!君の知っている未来はおかしい!!そんな未来は壊れてしまえばいいんだ!!!僕は…僕達はモネの邪魔をする!!君の知っている未来を壊していく!!そして新しい未来を作っていく!!人は未来を変えられる力があるって信じてるから!!!』
そこまで言い終えたシャルティエは息を切らしながらコアクリスタルを点滅させる。
スノウの表情は俯いていて見えなかった。
これで彼女に僕たちの想いが伝わってくれたら、と懇願した。
「私は…、皆に迷惑をかける…。皆を命の危険に晒すかもしれない…。そんな私が生きていても何の得にもならない。」
『損得じゃない。人が生きる理由に損得なんて関係ないんだよ。モネ、君はいつだったか呟いていたよね?“死にたい訳じゃない”って。』
「!!」
『あの時は坊ちゃんが君に思いの丈をぶつけていた時だったよね。その時に君がそう言ったのを僕はずっと心に残ってたんだ。死にたい訳じゃないのに、何故生を諦められるのかって、すごく思ったんだ。それって未来を知っていたから苦しんでいたんだよね?だったらさ、その未来ってやつ忘れようよ。君にはきみの物語がある。それは人それぞれが持つ物語だ。未来に君が居ないから生を諦める、それは絶対におかしいんだ。だから、僕達はそれを壊す。君が生きられる未来を作っていく。』
「……はは…、」
力なく笑うスノウを心配そうに見るシャルティエ。
でもきっと想いは伝わったから。
そう信じてスノウが話し始めるのを待つ。
「…………何だか自分が惨めになったよ。…今まで何をしてたんだろうって。結局君達と関わってしまって、この旅をするようになって……、でも絶対的なシナリオから外れちゃいけない…外れさせちゃ駄目だって、ずっと思っていたんだ…。この世界に生きているのに、ずっと自分という存在を排除していたんだ。でも、修羅や玄がいて……、カイルやロニ、リアラやジューダス、シャルティエがいて……、なぜ自分はここに居るんだろうって問い続けていた。…何がしたいんだろうって……考え続けていたんだ。」
『……それから…?』
優しい声音のシャルティエに感謝しつつ話の続きを口にした。
「確かにシャルティエ。君の言う通り、私の知っている未来には…私は存在しないんだ。存在すればそれがどう変わるか怖かった。……だから私を排除しようとした。でも、皆は私に沢山の言葉をくれたね…。カイルやリアラ……ジューダスまでも、自分の心に正直になって、その言葉で、私を救ってくれた。……あの時涙が出たのは本当に驚いたよ。まさか泣くなんて思わなかった。そして思ったんだ…。皆とこれからも旅をしてみたいって……」
『!!』
シャルティエが驚いたようにコアクリスタルを点滅させた。
「でも、それは願ってはいけないとすぐに呑み込んだんだ。心の奥底に押し込んだ。あの時は正直、玄に勝てる未来を想像できなかったから余計だけど…、だからこそ死ぬ未来が見えた。……いや、そのビジョンが私には見え過ぎたんだ…。近い内に死ぬというビジョンが。……あの時、君は僕を使ってと言っていたよね?本当はそう言って貰えること、それ自体が嬉しかった。だけど、君をここで披露すれば今までジューダスがやってきた苦労が水の泡だとも思ったんだ。だからそのまま玄に立ち向かった…、案の定私は死にかけたけどね……。あの時はもう終わったんだって、すごく……安らかな気持ちだったんだ。相棒も壊れ、死ぬということが分かっていた私に……もう他の手札はないと、そう思ったよ。」
『……あの時、僕は恐ろしかったんだ。また、坊ちゃんの心が壊れやしないかと……。自分が傷付くのを厭わず、駆けて行くんじゃないかって、怖かった。』
「私も怖かったよ。必死に逃げてという彼が、恐ろしかった。首にナイフを当てられている人間が…普通あんなに抵抗するものかと流石に目を剥いたね。」
本当にあの時、彼を拒絶していなかったらどうなっていたか、分からない。
だからこそ、視線を外したんだ。
そして、シャルティエの言葉にも答えられなかったのはジューダスのこともあったからだ。
シャルティエを取りに行こうものならもしかしたら彼が傷つくのでは、と思ったものだ。
「正直、生きられるとは思ってなかったから……これからどうしたいか考えてなかったんだ。いや、考えられなかった、が正しいかな。これから君達は大変な旅になる。そんな旅に私は……どうしたいのかって、今も考えてる。着いていけば絶対に君達の未来は変わっていく。それを…………恐れたんだ。」
『……モネ。僕の気持ちは変わりません。君が居ない未来なんて壊したい。僕は未来を変える。だから、一緒に行こう?行って坊ちゃんと会ってください。もっと、もっと…皆と旅がしたいって思えるから。』
「私のせいで死んでも……保証しないよ?」
『逆に望むところですよ!!どんな困難だって坊ちゃん達となら乗り越えられます!!絶対に!!!』
「……分かった。君の言葉を信じよう。……取り敢えずはね…。」
『もう!モネ!!考え過ぎですって!!!僕達と旅がしたいならすればいいじゃないですか!!…自分の気持ちを…大事にしてくださいよ。』
「あぁ、分かってるよ…。分かってるからこそ、困るんだけどね…。」
私は一度深呼吸をして心を落ち着かせた。
「私の敵は多い…。それでも付いてきてくれるかい?シャルティエ」
『勿論ですよ!!寧ろ、その言葉を待ってましたよ!!』
「ふふっ、ありがとう、シャルティエ。……さて、遅くなってしまったが皆の所へ行くとしますか。」
『どこら辺でしょうか?変な魔物に当たってないといいですけど…』
「……〈サーチ〉」
頭に手を起き、魔法を使う。
広範囲に探知してみればかなり遠くの方へといるし、なんならその動き方で嫌の方の予感が当たったと言える。
「……嫌な予感的中だね。」
『え、スノウってそんな広範囲にまで探知できるんですか?!凄いです!!』
「ははっ、お褒めに預かり光栄だ。さて、行きますかね。」
『はい!!行きましょう!!あ、僕を使ってくださいよ?!スノウ!』
「ふふっ、だからそれは遠慮させて頂くと言っただろう?」
『えええ??!』
シャルティエの心からの叫びに笑い、一度目を閉じる。
暫くは……彼らと共に……。
「未来を変える、ね…。思ってもみなかったな、そんな事。」
『変えましょう。僕達の手で!やってやりますよぉー!!?』
いやに意気込んだシャルティエの声が部屋内に響く。
左手の契約の指輪が僅かに光り輝いた気がした。