カイル達との旅、そして海底洞窟で救ったリオンの友達として彼の前に現れた貴女のお名前は…?
Never Ending Nightmare.ーshort storyー(第一章編)
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最近、よく彼女が欠伸をするようになった。
「……ふわぁ…。」
口元を手で隠してはいるけど、咄嗟に出ているのか、欠伸特有の涙は隠せはしない。
欠伸をした後、眠そうな顔で何度か目を瞬かせては涙をすぐに引っ込めさせる。
彼女のその常套手段に、僕は無意識に眉間に皺を寄せていたらしい。
彼女が僕の顔を見ては不思議そうな顔をしたからだ。
それにもう一つ言わせてもらうなら、今も彼女の目元には微かにクマのようなものが存在していた。
化粧かなんかで隠しているのだろうが、いつも彼女の顔を見ている僕からすると、そんな微々たる事でも見逃すはずもない。
僕は徐ろに彼女の目元に手をやって、指の腹でそこをなぞった。
「……お前、最近寝れてないのか?」
「え?何でそう思ったのかな?レディ。」
「……僕はレディじゃない。…ではなく、話の腰を折るな、馬鹿者。」
「ふふ。ごめんごめん。」
「で、どうなんだ?」
追撃をかけるように彼女へと問い質したが、彼女はその後もずっと「寝ている」なんて嘘をついて誤魔化してばかりだった。
そして翌日も彼女は朝から欠伸をする。
ただ……目元のクマが昨日よりも酷く、濃くなっていたのは言うまでもない。
その上、皆の話にもどこか上の空だったのは明白で、カイル達も流石にそんな彼女へ心配そうな顔をして見遣っていた。
「……。」
また別の時間、彼女と共に宿屋の廊下を歩いていると彼女が急にガタッと膝を折れさせ、すぐに何事もなかったかのように持ち直していた。
その時、彼女が左目を押さえていたのをはっきりと僕は目撃してしまう。
急いで彼女の左頬に手を当て、目の色を確かめるもそこにあるのはちゃんとした“海色の瞳”だった。
……だったら、さっき何故彼女は左目を押さえたのだろうか?
彼女の左目は、他のマナの影響を受けやすい。
その左目を押さえていたと言う事は、ただ事ではないはずだ。
「…何故、隠す……?」
「ん?」
目元に触れ、グッと僕が指に力を入れれば、彼女は驚いた様に顔を変化させた。
「どう見たって、お前のこれは隠せはしないし、お前が毎日のように欠伸をしたり上の空なのはあいつらも分かっている。なのに、何故隠す必要がある?」
「それは、」
「僕が頼りないからか?言ってもどうしようもないと……、そう思っているからじゃないのか?」
「……その言い方は…狡いなぁ…?」
ポツリと呟くように放たれた言葉。
諦めた顔で僅かに笑った彼女は、頬にある僕の手に重ねるようにして手をそっと置いた。
「前に海洋都市アマルフィでも言ったけど、君が頼りないかどうかなんて……そんな訳ないじゃないか。誰よりも君の隣が安心出来ると言うのに。」
「なら吐け。お前を苦しめるそれは、一体なんだ?」
「……夢…。」
「…?」
夢…だと?
僕にとっては、当然聞き逃せない話ではないか。
「最近……夢見が悪いんだ…。同室のリアラやナナリーにも言われたけど、時折酷く……魘されてるって…。」
「……だったら尚更のこと、何故僕に相談しなかった?僕はお前と同じ御使いになり、そして〈夢の神〉の御使いになったというのに。」
「だからだよ。心配かけさせたくなかったし、私の事で気を揉まないで欲しかった。君は君の神……エニグマから頼まれた大事なお役目があるというのに、私という身近な存在がそれを邪魔したくなかった。」
……こいつは分かってない。全然、分かってない。
何の為に僕が、嫌いなあの神の御使いとなったのか、を。
あんなにもあの夢の中で僕の想いを告げ、その後もこいつの為に神の御使いとなる修行とやらもこなしてきたというのに…!
なのに…、全く!微塵も!伝わってないではないか…!!
「……僕が、何の為に〈夢の神〉の御使いとなったと思っている…?」
「……?」
「お前をあらゆるものから守るためだ。」
「…!」
目を見開く彼女を睨めば、彼女は言葉を失い呆然と口を僅かに開いていた。
僕はそんな彼女の肩を掴んで真正面から向き合う。
「他の奴らなど、最早どうだっていい!他の奴が悪夢を見ていようが、なんだろうが…僕には関係ない!」
「リオ──」
「僕が守りたいと願うのは!お前しかいないんだ!!」
ここまではっきり言ったことなど無かったが、これでようやくこいつも僕の気持ちが分かってくれるだろう。
……そう思っていたのだが、冷静に考えればこれは…火に油ではないか…?
こいつの性格上、自己犠牲の気が多い。
そんな自分を何でも後回しにするやつだ。この話をしてこいつが変な方向に向かわない訳がない。
どうせ、僕に対して御使いを辞めろとか言い出すに違いない。
“私の事は大丈夫だから”なんて言って、な。
「……ふふっ。」
「……?」
何故笑われたのか、予想がつかなくて今度は僕の方が唖然とする羽目になった。
目の前の彼女は、僕を見上げて僅かに頬を赤く染めると嬉しそうにはにかんでいた。
その反応に、僕はここ最近で一番驚いたのかもしれない。
予想していたものとは、あまりにもかけ離れた表情をしていたから。
「ふふっ…!そうか…。ふふふっ…!」
彼女は口元を隠し、笑っていた。
でも、彼女の頬の赤みは全く引く気配が無かった。
それだけで、僕の想いが伝わったと思ったんだ。
「……笑うな。」
「ふふふっ…、ごめんっ…。あまりにも熱烈なプロポーズだったから、なんだか…個人的に嬉しくなってしまって。」
突然深呼吸をしたかと思えば僕から視線を外し、体ごと反対を向いた彼女。
僕はそれに首を傾げた。
「(推しが可愛すぎるぅぅっ…!!!可愛すぎて死にそうぅぅ…!!!)」
「……??」
今度は僕が呆然とする番だ。
彼女は僕とは反対の方を向いて、両手で顔を覆い、天を仰いでいたのだから。
「すぅ…はぁ……。ちょっと、リオン。一旦休憩にしようか。うん、それがいい。……私の為にも…。」
「は?」
「ちょっと時間をくれないか。大丈夫、ここにか・な・ら・ず!戻ってくるから!」
そう言って彼女は一瞬にして姿を消した。
だが、何処からか彼女の叫び声が聞こえた気がした。
「────!!!!」
『何か聞こえてきません?スノウの声が。』
「……何やら叫んでいるようにも聞こえるな…。」
「ふぅ、お待たせ。」
『うわっ!ビックリした!!いきなり現れないでくださいよ!!?』
「ははっ。ごめんごめん。」
いつもながら、こいつの行動には驚かされてばかりだが……早い所ケリをつけなければ…。
「……で?話を戻すが、夢見が悪いとはどういうことだ。それに…お前さっき倒れそうになった時に左目を押さえていただろう?マナがおかしいのか?」
「あぁ…やっぱりその話に戻るよね…?」
「当然だろうが。さっき僕の気持ちは伝えたはずだが?」
「ふふ。痛いくらい伝わってきたよ。ありがとう、レディ。」
伝わっているなら良いが、本当に伝わっているかどうかは五分五分といったところか。
いや、そんな話ではない。
問題は彼女がまた夢の中の魔物に悪さされている事だ。
〈夢の神〉の御使いとして……、そしてこいつを守ると誓った身として決して引けない事件だ。
「……最近は寝ようとすると、どうしても萎縮してしまってね?寝ないようにしてるんだ。寝てしまうと……また、あの悪夢を見そうで…ね。」
「どんな夢だ?」
「……私が、〈赤のマナ〉に侵蝕されてしまって、我を忘れて……挙げ句の果て、皆を殺してしまう夢だよ。」
「…。」
俯いて視線を合わせないスノウ。
僕がその顔を上げさせようと、手を伸ばすと彼女は僕のその手を俯いたまま掴んだ。
……どうも今は、僕に顔を見せたくないらしい。
「……最後に鏡が出てくるんだ……。その鏡を見たら、私の瞳が……血のように真っ赤に染まってて……!」
「……。」
「手も、服も……全部…!!血に染まってるんだ…!!」
「スノウ…。」
「殺したくなんてないのにっ…!気付いたら、血塗れになって、倒れてる皆を見下ろしている自分がいるんだっ…!!!」
もしかしたら、こいつがさっき咄嗟に左目を押さえたのは……無意識に悪夢の内容を思い出してしまったからなのかもしれない。
こんな夢の内容ならば、確かにスノウが眠りたくないと言うのも分かる。
だが、それでは本末転倒だ。
結局具合を悪くして気絶すれば、嫌でも悪夢を見てしまうだろう。
僕は一度目を閉じて、憐憫の心を自分の中で消化させる。
そして僕はなるべく安心させるように柔らかく笑って、彼女の顔をそっと覗き込んだ。
「……大丈夫だ、スノウ。僕が必ず助ける。お前も、夢の中のあいつらも。」
「……。」
「…だから───」
そんなに、怖がらないでくれ。
僕の手を掴んでいる彼女の手は微弱に震えていた。
顔を上げないのも、きっと僕を心配させない為だと思っているのだろう。
それでは余計に心配になるというのに。
「……スノウ。」
「……。」
「ともかく、ベッドで寝ろ。お前が寝たら夢の中へ助けに行く。…絶対にだ。」
「……怖くて寝れないかもよ?」
声を震わせながら笑って話す彼女。
その笑い方も何処か不安にさせるような、震えた笑いだった。
それ程までに、彼女の中の悪夢が彼女の精神を蝕んで、そして喰い散らかしているのだ。
……それが酷く、忌々しい。
「側にいてやる。だから寝ろ。」
「……分かった。もし、危なくなったら…」
「阿呆。そんな先の事まで考えるな。お前はただ、寝れるように心を落ち着かせておけ。」
その後、僕は震える彼女の肩を支えながら移動し、宿屋のベッドの一室で彼女が横になる。
その顔は見るからに不安が表れていた。
視線も合わず、ただひたすらベッドのシーツの方へと視線を向けて一向に寝ようとしない。
近くにいた僕に、視線を向ける事もなく…な。
「……。」
寝そうで寝れない、と言った感じだろうか。
恐怖から眠れないのか、それとも単純に何か他に要因があるのか分からないが、彼女は怖がっているかのように目を閉じなかった。
「……怖いのは分かるが、目を閉じないと寝れないぞ。」
「……うん、そうだね…。」
流石に指摘されたからか、恐る恐る彼女が目を閉じる。
しかし呼吸が寝息の時とは違い、安定しない。
念の為に、寝ているか確認するため彼女に触れてゆっくりと目を閉じてみたが、夢を見ている様子も無ければ、寝れそうな感じもしない。
……これは、前途多難…だな。
「……。(どうしたものか…。)」
「……」
「(無理に寝させる方がこいつの為にもならないのか…?だが…この感じで夜まで持つとは思えん…。)」
「……ぅ、」
「…!」
ようやく寝たのか、彼女が目を閉じて呻いている。
急いで彼女に触れ、ゆっくりと目を瞬いた。
しかし、目を開けた時には同じ場所に僕は立っていて、その証拠に目の前には横になっている彼女がいる。
その上、夢の中に入ったという感覚もない。
「……はぁ、はぁ、」
「…?」
何故だ?
彼女は悪夢を見ているかのように魘されているのに、夢の中に入れそうにない感覚…。
もしかして、“見たくない”という彼女の想いが強すぎて反発しあっているのだろうか。
彼女と、夢の中に巣食う魔物が…だが。
「……まずいな。あまりにも体を硬直させていて夢を見る気配もない…。これじゃあ悪夢から救うなんて無理だ。」
『ど、どうしたら良いんですか?!』
「こいつが楽になれるような何かがないと、難しいだろうな。それか安心出来るもの、だな。」
『なら簡単じゃないですか。坊ちゃんが隣で抱きしめてあげればいいじゃないですか。そうしたら、きっとスノウも安心して寝れますよ?』
「……お前、本気か?」
何を根拠にそんな事を…。
大体、それで本当に彼女が安心出来るならば、最初からこんなに苦労などしていない。
『物は試しですよ!坊ちゃん!さぁ!坊ちゃんも横になって!!』
「……。」
まぁ、試して駄目そうなら止めればいいだけだが…。
何故か気後れしてしまう。
それに、男女が同じベッドで抱きしめ合うなど…!
「っ///」
『坊っちゃ~ん。恥ずかしがってる場合じゃないですって。この間にもスノウは苦しんでるんですよ~?』
「わ、分かっている…!」
彼女の許可無しでやるなど決して良くないが、ここまで来たからには早くやって彼女の苦しみを取り除いてあげるほうが先決だ。
僕はシャルや武器たちを腰から外し、恐る恐る彼女の隣へと滑り込む。
そしてそっと抱き寄せれば、彼女は何を感じたのか僕へと擦り寄ってきたではないか。
思わず顔が赤くなってしまい、手の行き場を失ってしまう。
このまま彼女の背中に手を回しても良いだろうか…?それとも起きて怒られるだろうか?
『いけ!坊ちゃん!やっちゃえ!!』
「(あいつ…後で仕置きが必要だな…?)」
意を決して彼女を抱くとすんなり彼女の悪夢へと入り込んでいけた。
さぁ、ここからが本番だ…!
* … * … * … * …* … * …* … * … * … * …* … * …
ポツンと暗闇の中で立っている彼女。
虚ろな表情でボーッとしており、その瞳は既に赤く染まってしまっていて、明らかに〈赤のマナ〉によって狂気に呑み込まれているのが分かる。
その瞳がこちらを向いた瞬間、その赤き瞳は瞬時にして光を灯し、一瞬にして狂気の笑みへと変わっていく。
「アハはははっ!!!!」
『って、ええ!?いきなりですか?!』
「覚悟を決めろ、シャル。近くに彼女の“何かしら”の願いを叶えようとする魔物がいるはずだ。それを叩っ斬るぞ!!」
『は、はいっ!!』
とは言え…、彼女と戦闘しながら悪夢を見せている魔物を探し出すなんて至難の業だ。
ただでさえ彼女は強い。
その強さは僕が身を持って知っている。
以前、彼女が今と同じ様に〈赤のマナ〉に呑み込まれた時に僕が死にかけたくらいには。
「アハハッ!!!!」
完全に狂気に呑まれ、我を失っているスノウ。
自身の相棒を手に、戦いを愉しんでいる気配さえする彼女を一度気絶させようと、彼女の腹部へと強い蹴りを見舞わせたがすぐにくるりとその身を軽々と回転させ、躱されてしまう。
相変わらずの身のこなし、というべきか…。
「あは、ハは…」
「…?」
『あ、あれ?スノウの様子が…?』
彼女は完全に狂気に呑み込まれているはずだ。
なのに、自我がまだあったのか、彼女は赤い瞳を揺らして自身の利き手である右手を反対の手で押さえていた。
まるで誰も傷つけないように、と自身を戒めているかのように───
「う、あ…。」
『「っ!?」』
「いや、だ…!誰か、わたし、を“殺してくれ”…!!!」
「っ!? 駄目だ!やめろっ!! その“願い”だけは…!!!」
彼女がその言葉を言い放ち、急にこの暗闇の空間がどよめく。
まずい。彼女が“死にたい”と願ってしまったから、悪夢を見せている魔物が反応したんだ…!
────“願う力は夢のチカラ”
〈夢の神〉がそう言っていたではないか。
だから夢のチカラを吸い取ろうと、彼女の“願い”を何が何でも叶えようとするのが、人間に巣食う魔物だ。
その魔物さえ討伐出来てしまえば、後はどうにだってなる。
だからある意味好機ではあるが…。
『ど、どこに居るんですか?!』
「……。」
早く見つけなければ彼女が危ない。
魔物は、彼女を殺す事によって、彼女の“願い”を叶えさせようとしているんだ。
「たす、けてっ…!! 殺したくなんか、ないっ…!!」
「!!!!」
あんなにも苦しんで、辛い思いをして……。
「大事なひとたちをっ、手に、かけたくなんか、ないっ…!!」
「…っ。」
涙を必死に溜め込んで……。
「だれか…っ!……っ、たすけ、て…!」
赤い瞳に翻弄されて……。
何故……。
何故、こうも彼女が苦しまなくてはならないのだ。
「────夢幻一閃。」
彼女の背後に忍び寄った魔物を、僕は一撃必殺の技で仕留める。
瞬く間に、魔物は薄紫色の光に変わって霧散していった。
その瞬間、彼女がその場で倒れた。
僕が慌てて近くに寄り、彼女に触れようとして急いで手を引っ込めさせる。
夢の中でこそ〈薄紫色のマナ〉は効力や威力を発揮する。
そんなマナを僕も少なからず保有している。
そんな状態で、マナの汚染に左右されやすい彼女に触れたりなんかしたら……現実世界での彼女に影響が出てしまう。
〈夢の神〉から言われていたそれを思い出して、僕は悔しくて拳を握り、そして後退った。
倒れている彼女に何も出来ない夢の中の自分が、酷く歯痒くて……。
「……戻ろう、現実へ…。」
『坊ちゃん…。』
僕が彼女とは反対を向き、現実へと戻ろうとした最中、空間に声が響く。
その声は、とても穏やかな声でお礼を伝えてきた。
僕の……大好きな、大好きな、あの声で。
「────ありがとう、リオン。」
僕がフッと笑うまでもなく、あっという間に現実へと戻ってくる。
ゆっくりと目を開ければ、彼女の顔が目の前にあって、それはそれは穏やかな顔で寝息を立てて寝ていた。
先程まで魘されていたのが嘘のように。
そしてその彼女は、僕の服を掴んで離さなかった。
少し離れてもその手は僕の服をキュッと掴んでいて離れそうにない。
深い溜め息を吐いた僕だったが、兎角彼女が穏やかに過ごせるようになった事が、心から喜ばしい。
僕も、今は彼女が隣にいるという贅沢な昼寝を堪能する事にして、そのまま目を閉じたのだった。
……ちなみに、彼女が起きたのは丸二日経った後だったことも、ここで話しておこう。
僕の〈薄紫色のマナ〉が多少なりとも彼女へ影響していたらしい。
起きた時の彼女の瞳が〈薄紫色〉だったのが、何よりの証拠だ。
無論、浄化の鈴で鈴鳴をし、マナを浄化させてやったがな…。
多少スノウの奴もマナ汚染への訓練している事もあるからか、〈薄紫色のマナ〉に侵蝕されていてもあのまま眠り続ける事なくボーッとするだけだった。
あれからというもの、悪夢は見ないようで安心して寝れていると報告も受けている。
安堵したのと同時に、彼女へと説教してやった。
今度からは早い段階で相談する事、夢の中で“死”を願わない事。
そして、眠れない時は僕に言うこと。
彼女の場合、何が起因しているか分からないから原因を突き止めるには僕に相談した方が早いからだ。
一応これでもお前の為に〈夢の神〉の御使いになった身でもあるのだから。
【悪夢を見た時は、僕を頼れ。】
「……全く。眠れるようになって良かったな?」
「ははっ。反省してますって。これからは頼りにさせてもらいますよ?リオン。」
「当然だろうが。僕以外に頼るな、阿呆。」
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正月企画のリクエストからでした。
フリリクをして下さった【サイモン】様、ありがとうございました。
いつもこうして見て頂けてるなんて、幸せ者です。
正月企画で届いたリクエスト内容の希望に添えたでしょうか?
フリリクはいつでもお待ちしておりますので、他の方もじゃんじゃんお寄せ下さい。
フリリクは対応カップリング(主人公(夢主)が定まってない場合は落ちの相手の名前)、そしてシチュエーションがあれば嬉しいです。
シチュエーション無しでも承っていますが、お時間頂くと思います。
皆様からの応募、お待ちしております。
管理人・エア