短編
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「紬、少しパソコンを借りてもいいだろうか?」
「はい、もちろんいいですよ」
私の家に来たとき、調べ物をするためにたまにパソコンを使う理鶯さん。
理鶯さんの調べ物って普通のことじゃないんだろうなと思いつつ、私はあることを思い出した。
「(そうだ、あれ理鶯さんに使ってもらおう)」
.
「理鶯さん」
「ん?」
「これ、よかったら使いませんか?」
理鶯さんに差し出したのはブルーライトカットのパソコン用の眼鏡。
前にプレゼントでもらったけれど、黒縁で自分にはあまり似合わなかったからクローゼットにしまいこんでいたものだった。
「理鶯さんせっかく視力いいし、ぜひ使って欲しいです」
「気遣い感謝する。ありがたく使わせてもらおう」
私から眼鏡を受け取った理鶯さんは、早速それをかけてくれた。
「似合うだろうか?」
「…っはい、とても」
私の言葉を聞いた理鶯さんは満足そうに微笑んで、パソコンに視線を戻した。
〜〜っ、絶対に似合うとは思ってたけど、想像以上にかっこいい…
隣に座ってずっと眺めてたいくらいだけど、さすがにそれは邪魔になるから…とりあえず他のことをしよう、と立ち上がった。
.
これは困った。本を読もうとしても全然集中できなくて、理鶯さんのほうをちらちらと見てしまう。あ、眼鏡クイってした…これはやばい、動画撮りたい…。正面から見るのももちろんいいけど、横顔見るのも好きだなあ…。
自分でかけさせといてなんだけど、これは大変なことをしてしまったかもしれない…
.
しばらくして、ノートパソコンをぱたんと閉じた理鶯さん。
「いつもすまない、ありがとう。…ところで、小官のほうを何度か見ていた気がするが…何か言いたいことがあったのか?」
「えっ、と…そういうわけじゃない、ですけど…」
「ならば、小官の顔に何かついているのか?」
そう言ってずい、と顔を近づけてくる理鶯さん。近い、近すぎる。こんな至近距離で見てしまったら心臓が持たない。
思わず顔を逸らすと、理鶯さんの声色が少し不機嫌そうなものに変わる。
「理由を言わないのなら、もう眼鏡は外してしまおう」
「…っ!」
理鶯さん、絶対分かってやってる…
せっかくの機会を逃したくなくて、顔を逸らしたまま目線だけを理鶯さんに向ける。
「どうした?何か言いたげな顔をしているな」
余裕がない私に対して、口角を上げている理鶯さん。
どうせ理鶯さんからは逃げられない。観念して口を開いた。
「眼鏡、外さないで…すごい似合ってて、かっこいい、から…」
「やっと素直になったな」
その言葉と同時に理鶯さんの手が顔に触れて、今度はしっかりと目を合わせて唇を重ねる。
「…キスをするときは、少し邪魔だな」
思わず笑みが零れて、見つめあったまま笑い合う。
「じゃあ、今だけは特別ですからね」
顔に当たらないように、そっと理鶯さんの眼鏡を外す。
そして、今度は自分から唇を重ねた。
fin.
「はい、もちろんいいですよ」
私の家に来たとき、調べ物をするためにたまにパソコンを使う理鶯さん。
理鶯さんの調べ物って普通のことじゃないんだろうなと思いつつ、私はあることを思い出した。
「(そうだ、あれ理鶯さんに使ってもらおう)」
.
「理鶯さん」
「ん?」
「これ、よかったら使いませんか?」
理鶯さんに差し出したのはブルーライトカットのパソコン用の眼鏡。
前にプレゼントでもらったけれど、黒縁で自分にはあまり似合わなかったからクローゼットにしまいこんでいたものだった。
「理鶯さんせっかく視力いいし、ぜひ使って欲しいです」
「気遣い感謝する。ありがたく使わせてもらおう」
私から眼鏡を受け取った理鶯さんは、早速それをかけてくれた。
「似合うだろうか?」
「…っはい、とても」
私の言葉を聞いた理鶯さんは満足そうに微笑んで、パソコンに視線を戻した。
〜〜っ、絶対に似合うとは思ってたけど、想像以上にかっこいい…
隣に座ってずっと眺めてたいくらいだけど、さすがにそれは邪魔になるから…とりあえず他のことをしよう、と立ち上がった。
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これは困った。本を読もうとしても全然集中できなくて、理鶯さんのほうをちらちらと見てしまう。あ、眼鏡クイってした…これはやばい、動画撮りたい…。正面から見るのももちろんいいけど、横顔見るのも好きだなあ…。
自分でかけさせといてなんだけど、これは大変なことをしてしまったかもしれない…
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しばらくして、ノートパソコンをぱたんと閉じた理鶯さん。
「いつもすまない、ありがとう。…ところで、小官のほうを何度か見ていた気がするが…何か言いたいことがあったのか?」
「えっ、と…そういうわけじゃない、ですけど…」
「ならば、小官の顔に何かついているのか?」
そう言ってずい、と顔を近づけてくる理鶯さん。近い、近すぎる。こんな至近距離で見てしまったら心臓が持たない。
思わず顔を逸らすと、理鶯さんの声色が少し不機嫌そうなものに変わる。
「理由を言わないのなら、もう眼鏡は外してしまおう」
「…っ!」
理鶯さん、絶対分かってやってる…
せっかくの機会を逃したくなくて、顔を逸らしたまま目線だけを理鶯さんに向ける。
「どうした?何か言いたげな顔をしているな」
余裕がない私に対して、口角を上げている理鶯さん。
どうせ理鶯さんからは逃げられない。観念して口を開いた。
「眼鏡、外さないで…すごい似合ってて、かっこいい、から…」
「やっと素直になったな」
その言葉と同時に理鶯さんの手が顔に触れて、今度はしっかりと目を合わせて唇を重ねる。
「…キスをするときは、少し邪魔だな」
思わず笑みが零れて、見つめあったまま笑い合う。
「じゃあ、今だけは特別ですからね」
顔に当たらないように、そっと理鶯さんの眼鏡を外す。
そして、今度は自分から唇を重ねた。
fin.