短編
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ああ…私、最悪だ。
銃兎さんも疲れてるのに、銃兎さんの気持ちもよく考えないで、わがまま言っちゃった…
いつもそうだ、冷静な考えができなくなって、言い過ぎちゃって、一人になったときに後悔して…
こんなんじゃそのうち愛想を尽かされて当然だ。
今度銃兎さんに会ったとき、なんて言ったらいいんだろう…
ていうか、会えるのかな…
.
あれから2日後の夜、少し会えないかという銃兎さんからのメッセージ。
今週は忙しいから会えないって言ってたはずなのに…
私の家に来てくれるって言ったけど、申し訳ないから私が駅まで行くって言った。
ら、夜遅いから危ないって説得されて結局家まで来てくれることになって。
優しい彼に酷いことを言ってしまった罪悪感で胸がいっぱいになって、涙が溢れた。
玄関のチャイムが鳴って、すぐにドアを開けた。
「っ!?どうして泣いてるんです、体調でも悪いんですか」
「ちが、くてっ…この間は、ごめ、なさ…」
ちゃんと伝えたいのに、涙で声が詰まって言葉が上手く出てこない。
「とりあえず、中に入りましょう?座ってゆっくり話をしましょう」
「はい……」
.
キッチンで飲み物の用意をしていると、持っていきますよ、と銃兎さんが言ってくれた。
リビングのソファに並んで座る。
私がテーブルに置いたマグカップを見つめたままどうやって切り出そうか悩んでいると、銃兎さんに抱き寄せられて、もたれかかる形になる。
「自分を責めないでください…紬は気にしすぎる癖があるので、心配だったんです。そんなに不安にならなくても、私は紬のそばから離れるつもりはありませんよ」
「銃兎、さん…っ」
だめだ、せっかく引っ込んでいた涙がまた溢れてくる。
泣いちゃダメだと思えば思うほど溢れてきて、あわてて袖で拭おうとすると銃兎さんに手を掴まれた。
「服が汚れてしまうでしょう。ほら、これを」
「う…すみません…」
銃兎さんが差し出してくれたハンカチを受け取る。
ハンカチから銃兎さんのにおいがして、なんだか落ち着いた。
「あの、銃兎さん…」
「無理してしゃべらなくていいですよ、紬のペースで、ゆっくりで」
「はい…っ」
それから銃兎さんは、私の目を見つめて相槌を打ちながら、私の話を聞いてくれた。
申し訳なさで胸がいっぱいになる。
「これからももし、言いたいことがあったら遠慮なく言ってください。私は紬の恋人なんですから」
銃兎さんの優しすぎる言葉に、また目頭が熱くなって。
言うことを聞かなくなった涙腺に思わず笑ってしまうと、銃兎さんも笑いながら頭を撫でてくれた。
「うう、ごめんなさい、銃兎さん…」
「いいえ。何度でも拭ってあげますから、我慢しなくていいんですよ。私といる時間くらいは、ね」
fin.