短編
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「……もうこんな時間かあ」
エアコンなしでは寝られないほどの暑さの夜が開けて、カーテンの隙間から差し込む眩しい光に目を細めながらスマホの画面に目をやる。
あれ、隣で寝ていたはずの銃兎さんの姿がない。
すぐに異変に気づいたけれど、それはもう慣れっこで。
また呼び出しが入ってしまったんだろう。
ダイニングのテーブルの上にはきっと手紙が置いてある。
そう思って寝室を出て、ダイニングへ入ると。
「おはようございます」
「え、銃兎さん!?」
予想外の景色に、はっきり覚めていなかった頭が完全に覚醒する。
呼び出しではなかったことに安堵しつつ、 銃兎さんが朝食を用意してくれていたことに申し訳なさが募る。
「久しぶりのお休みなんですから、ゆっくりしててください……」
「いいんです、私がこうしたかったんですから。さ、冷めないうちにどうぞ」
テーブルの上にはサラダやフルーツ、ヨーグルト、そして……
「あ、オムレツ…!」
「久しぶりに作ったので、上手くできてるといいんですが」
銃兎さんのオムレツ。だいぶ前にはじめて作ってくれたとき絶賛してからというもの、たまに作ってくれるようになって。
「いただきます!」
「はい、どうぞ」
早速オムレツを一口食べてみる。口に入れると、ふわっとした食感が広がった。朝からこんなにおいしいものが食べられるなんて幸せだなあ。
「ん〜!相変わらず美味しいです」
「それは良かった」
銃兎さんはコーヒーの入ったマグカップをテーブルに置くと、私の前に座った。
「すみません……私が仕事じゃなければ、いっしょにゆっくり朝ごはん食べられたのに」
「貴方が謝ることではないでしょう。夕食は一緒に食べられますから。ね?」
「はい…」
いつもみたいに、朝ごはんは適当に済ますつもりだったから時間に余裕はなくて。晩ごはん、いっしょに作りたいから仕事早く終わらせないと…!
「ごちそうさまでした!」
「少し多いかと思いましたが、食べてくれたんですね。お粗末さまでした」
私も最初見たときちょっと多いかな?と思ったけど、銃兎さんが用意してくれたと思ったらいつもよりスピードが上がって、意外と食べられた。
、
諸々の身支度をすませて、玄関に立つ。
「それじゃあ、いってきます」
「…紬、ちょっと」
「え?」
髪になんかついてるのかな、そう思って銃兎さんのほうを見ると、ふいに腕を引かれて。
「じ、銃兎さん!?急にハグなんて…」
「ふふ、すみません、紬と離れるのが惜しくなってしまって」
用意をしながら、今日一日のスケジュールを考えて、段々と仕事モードになっていた頭が、銃兎さんの急な行動によって混乱させられる。
「こんなことされたら、行きたくなくなっちゃいます…」
「可愛いことを言ってくれますね紬は。……帰ったら、思い切り甘えさせてやるよ」
「っ!」
急に耳元で銃兎さんの低い声がして、びっくりして思わず肩を揺らしてしまった。
「…感じたか?」
「…!銃兎さんのバカっ 」
朝から何を言い出すかと思ったら…
人の気持ちも知らずにくすくす笑ってるし。
銃兎さんから逃げるようにドアのハンドルに手をかける。
「紬、気を付けて。行ってらっしゃい」
「…はい。行ってきます」
でもやっぱり、好きな人に見送ってもらえるのは嬉しくて。
家を出たばっかりなのに、もう帰りたい。
そんなことを考えながら、駅へと向かった。
.
エアコンなしでは寝られないほどの暑さの夜が開けて、カーテンの隙間から差し込む眩しい光に目を細めながらスマホの画面に目をやる。
あれ、隣で寝ていたはずの銃兎さんの姿がない。
すぐに異変に気づいたけれど、それはもう慣れっこで。
また呼び出しが入ってしまったんだろう。
ダイニングのテーブルの上にはきっと手紙が置いてある。
そう思って寝室を出て、ダイニングへ入ると。
「おはようございます」
「え、銃兎さん!?」
予想外の景色に、はっきり覚めていなかった頭が完全に覚醒する。
呼び出しではなかったことに安堵しつつ、 銃兎さんが朝食を用意してくれていたことに申し訳なさが募る。
「久しぶりのお休みなんですから、ゆっくりしててください……」
「いいんです、私がこうしたかったんですから。さ、冷めないうちにどうぞ」
テーブルの上にはサラダやフルーツ、ヨーグルト、そして……
「あ、オムレツ…!」
「久しぶりに作ったので、上手くできてるといいんですが」
銃兎さんのオムレツ。だいぶ前にはじめて作ってくれたとき絶賛してからというもの、たまに作ってくれるようになって。
「いただきます!」
「はい、どうぞ」
早速オムレツを一口食べてみる。口に入れると、ふわっとした食感が広がった。朝からこんなにおいしいものが食べられるなんて幸せだなあ。
「ん〜!相変わらず美味しいです」
「それは良かった」
銃兎さんはコーヒーの入ったマグカップをテーブルに置くと、私の前に座った。
「すみません……私が仕事じゃなければ、いっしょにゆっくり朝ごはん食べられたのに」
「貴方が謝ることではないでしょう。夕食は一緒に食べられますから。ね?」
「はい…」
いつもみたいに、朝ごはんは適当に済ますつもりだったから時間に余裕はなくて。晩ごはん、いっしょに作りたいから仕事早く終わらせないと…!
「ごちそうさまでした!」
「少し多いかと思いましたが、食べてくれたんですね。お粗末さまでした」
私も最初見たときちょっと多いかな?と思ったけど、銃兎さんが用意してくれたと思ったらいつもよりスピードが上がって、意外と食べられた。
、
諸々の身支度をすませて、玄関に立つ。
「それじゃあ、いってきます」
「…紬、ちょっと」
「え?」
髪になんかついてるのかな、そう思って銃兎さんのほうを見ると、ふいに腕を引かれて。
「じ、銃兎さん!?急にハグなんて…」
「ふふ、すみません、紬と離れるのが惜しくなってしまって」
用意をしながら、今日一日のスケジュールを考えて、段々と仕事モードになっていた頭が、銃兎さんの急な行動によって混乱させられる。
「こんなことされたら、行きたくなくなっちゃいます…」
「可愛いことを言ってくれますね紬は。……帰ったら、思い切り甘えさせてやるよ」
「っ!」
急に耳元で銃兎さんの低い声がして、びっくりして思わず肩を揺らしてしまった。
「…感じたか?」
「…!銃兎さんのバカっ 」
朝から何を言い出すかと思ったら…
人の気持ちも知らずにくすくす笑ってるし。
銃兎さんから逃げるようにドアのハンドルに手をかける。
「紬、気を付けて。行ってらっしゃい」
「…はい。行ってきます」
でもやっぱり、好きな人に見送ってもらえるのは嬉しくて。
家を出たばっかりなのに、もう帰りたい。
そんなことを考えながら、駅へと向かった。
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