家で辛いことを思い出して一人で泣いていると、彼が帰る予定の時間よりも早めに帰宅して……



▽波羅夷空却

ドアを開ける音が聞こえて慌てて目を擦り、笑顔でおかえりを言ってみるけれど、真剣な目をした彼がだんだんと近づいてきて。

「拙僧に隠し事たァいい度胸じゃねぇか。覚悟はできてんだろーなぁ？」

顔を覗き込んできて、至近距離で言う彼。
思わず言葉に詰まると、くしゃっと頭を撫でられる。

「拙僧に解決出来ねぇことはねぇンだよ。全部聞いてやるから話してみろ」


▽四十物十四

「紬さん！？泣いてるんすか！？」

気づくや否や抱きしめてくれる彼。
彼の優しさに余計に涙が溢れてしまうけれど、
大丈夫っすよ、ってぎゅっとしてくれる。

「紬さんには自分のしんどい話いっぱい聞いてもらって、心が軽くなったんす……だから今度は、自分が紬さんの力になりたい」

手を握り、まっすぐそう伝えてくれます*️


▽天国獄

「何でもない、って目真っ赤だぞ……ゆっくりでいい、俺に話してみろ」

彼に隠し事は難しい。
あったかい飲み物を入れてくれ、背中をさすってくれます。

「どうせ俺が忙しくしてるからって我慢してたんだろ？お前が元気ないと、俺の調子も狂うんだよ」

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すべて話し終わり、彼の優しい言葉に思わず涙をこぼしてしまうと……

「ったく、よく泣くなお前は。これからは爆発させちまう前に俺を頼れよ？いいな？」

視線を合わせて、頭を撫でてくれました*



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24.10.18