トライカラー・ロマンス
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『…き、キバナさん?』
「なあバニラ…お前の事情はよく分かった。お前はお前ですごく頑張ってたんだよな。踏ん張って、しがみ付いて。」
『………』
「開会式の時からお前はそうだった。ずっと何かに怯えているよな目つき、態度…初めて俺様と戦った時もどこか不安そうな顔つきだったもんなあ」
『……………』
「なあバニラ。お前は俺様の事、どう思ってる?」
『……ふぇ?』
「まだ俺様、お前からの返事をもらってねえ。それは流石にあんまりだと思うぜ?俺様はお前の言う「色」ってやつを視ることが出来ねえからな。だから聞かせてほしい。お前の言葉で」
耳元で囁くように言われてなんだかくすぐったい。…キバナさんが私の事を本気で好きなのは恐らく間違いないだろう。けれども私は?キバナさんに対しての憧れや好意はある。現にキバナさんに抱きしめられたりしても嫌な感じはしないしむしろ心地良さまで感じている。でもそれは恋慕たり得るだろうか。分からない。両親とポケモン以外に好意といった好意を向けられることのなかった(正確には視ようとしなかった)私が、誰かを愛する事なんてできるのだろうか。
私はキバナさんの「好き」に応えてあげられるのだろうか?
『…正直、分からないです』
「………」
『今まで誰かにキバナさんの言う「好き」って言われたことがないし、そんな感情も視たことが殆どないから、どうやって人を愛していけばいいのか、私には分からないです。でも頭撫でられたり、こうして抱きしめられたりしても嫌な気持ちにはならないし、何よりあんなに自分の事を話したのはキバナさんぐらいです。だから、あの、その…私はキバナさんの事は、嫌いではない、と、思います…あ、でも、せめてその、お、お友達から始めて頂ければ…』
自分の考えがまとまらないまま、しどろもどろに伝えると、キバナさんは急に「フフッ」と笑い出した。
「それだけ聞ければ十分だ」
そう言ってキバナさんは私を抱擁していた腕を緩めたと思ったら私の両肩を掴み、顔をじっと見つめてからニッと笑った。
「それが聞けただけでも聞いた甲斐があったってもんだ。…お前がまだ「好き」って感情がよく分からねえなら、このキバナ様が教えてやるよ。友達から始めたっていい。俺様がお前を守ってやる。いつか、お前の居場所になってやる」
『……!』
そう言い切った途端、キバナさんの、色が変わった。いや、正確には色が加わって、もとからあったピンクに重なるように溶けて、嫌な色にならない微妙なラインで混ざり合った。こんな色は今まで視たことがない。こんな感情は、知らない。これは、何?
「…どうした?なんか惚けて。また視えたのか?」
『はい、でもなんか視たことのない色でびっくりしちゃって』
「はあ?どんな色だよ。なんだかくすぐってえな」
『なんというか…元からある「ピンク」に加わって「水色」と、「オレンジ色」がバランスよく混ざり合った色です。こんなに混ざった色は初めてで…けれども、とっても、綺麗な色です。キバナさん、今何を考えているんですか?』
「……言ってもいいが、今はまだ内緒にしてやろうかなあ」
『ええーっ!?』
「お前が本気で俺様を好きになったら教えてやるよ」
『ま、まずはお友達からですよ!』
「分かってる分かってるって」
「なあバニラ…お前の事情はよく分かった。お前はお前ですごく頑張ってたんだよな。踏ん張って、しがみ付いて。」
『………』
「開会式の時からお前はそうだった。ずっと何かに怯えているよな目つき、態度…初めて俺様と戦った時もどこか不安そうな顔つきだったもんなあ」
『……………』
「なあバニラ。お前は俺様の事、どう思ってる?」
『……ふぇ?』
「まだ俺様、お前からの返事をもらってねえ。それは流石にあんまりだと思うぜ?俺様はお前の言う「色」ってやつを視ることが出来ねえからな。だから聞かせてほしい。お前の言葉で」
耳元で囁くように言われてなんだかくすぐったい。…キバナさんが私の事を本気で好きなのは恐らく間違いないだろう。けれども私は?キバナさんに対しての憧れや好意はある。現にキバナさんに抱きしめられたりしても嫌な感じはしないしむしろ心地良さまで感じている。でもそれは恋慕たり得るだろうか。分からない。両親とポケモン以外に好意といった好意を向けられることのなかった(正確には視ようとしなかった)私が、誰かを愛する事なんてできるのだろうか。
私はキバナさんの「好き」に応えてあげられるのだろうか?
『…正直、分からないです』
「………」
『今まで誰かにキバナさんの言う「好き」って言われたことがないし、そんな感情も視たことが殆どないから、どうやって人を愛していけばいいのか、私には分からないです。でも頭撫でられたり、こうして抱きしめられたりしても嫌な気持ちにはならないし、何よりあんなに自分の事を話したのはキバナさんぐらいです。だから、あの、その…私はキバナさんの事は、嫌いではない、と、思います…あ、でも、せめてその、お、お友達から始めて頂ければ…』
自分の考えがまとまらないまま、しどろもどろに伝えると、キバナさんは急に「フフッ」と笑い出した。
「それだけ聞ければ十分だ」
そう言ってキバナさんは私を抱擁していた腕を緩めたと思ったら私の両肩を掴み、顔をじっと見つめてからニッと笑った。
「それが聞けただけでも聞いた甲斐があったってもんだ。…お前がまだ「好き」って感情がよく分からねえなら、このキバナ様が教えてやるよ。友達から始めたっていい。俺様がお前を守ってやる。いつか、お前の居場所になってやる」
『……!』
そう言い切った途端、キバナさんの、色が変わった。いや、正確には色が加わって、もとからあったピンクに重なるように溶けて、嫌な色にならない微妙なラインで混ざり合った。こんな色は今まで視たことがない。こんな感情は、知らない。これは、何?
「…どうした?なんか惚けて。また視えたのか?」
『はい、でもなんか視たことのない色でびっくりしちゃって』
「はあ?どんな色だよ。なんだかくすぐってえな」
『なんというか…元からある「ピンク」に加わって「水色」と、「オレンジ色」がバランスよく混ざり合った色です。こんなに混ざった色は初めてで…けれども、とっても、綺麗な色です。キバナさん、今何を考えているんですか?』
「……言ってもいいが、今はまだ内緒にしてやろうかなあ」
『ええーっ!?』
「お前が本気で俺様を好きになったら教えてやるよ」
『ま、まずはお友達からですよ!』
「分かってる分かってるって」