トライカラー・ロマンス
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『えっえっえっ…?どうしてよりによって、そんな、えっ?…』
「………」
『あっ、あの、つかぬ事をお聞きしますが…本当にそれが答えなんですか?』
「…バニラには何が見えてるんだ?まずはそれを聞かせてもらおうじゃねえか」
『…信じてもらえないかもしれないですけど、私、他人の感情が色で視えるんです。たまに象られてるのも視えるんですけど。それで今キバナさんを「視た」ら、ピンク色だったんです。ピンク色って、まあ「興奮」だとか主にそういうものなんですけど、キバナさんの場合、「恋慕」の感情が一番強く視えたんです…これ、どういう』
ことですか、と言い切ろうとしたのに、それは叶わなかった。キバナさんが急に手を伸ばしてきて私の頬を片手で挟み込んでしまったからだ。ガッチリ掴まれてしまったので首を振って払うこともできず。キバナさんは水色の穏やかな、でもどこか鋭さを秘めた双眸でただただ私をじっと見つめてくる。
「成る程なあ、お前の前じゃ隠し事が出来ねえって訳か。んで、ずっとそれを隠してきたのか」
『ひ、ひふぁふぁふぁん…?』
「…ますますほっとけねえな」
ばつの悪そうな顔をするキバナさんはしばらく私の頬をふにふにとした後、今度は頭を撫で始めた。そして一呼吸。
「…あーそうだよ。俺様お前の事好きなの。開会式の時に見たときから気になり始めてな。」
『えええっ!?本当に最初の最初の頃からじゃないですか!』
「そーそー。まさかこんな形でバレるとは思わなかったけどな」
『わ、私もそんな感情向けられた事が無くって驚きましたけど…嫌いになりましたか?』
「さっきも言ったろ。絶対嫌いになんねえって。それに、お前の方こそ、俺様が無理に言わせたみたいにして悪かったな。ちなみにその色が見えるっていうのは俺様以外に知ってるやつはいるのか?」
『とりあえずは両親と、手持ちのポケモン達くらいです。』
「……辛くなかったか?」
何が、とは聞かなかった。キバナさんが聞いているのは、多分、「秘密を明かせる人が少なくて苦しくなかったのか」や「その能力が嫌な物を見る時にしか使えなかったのではないか」という事だろう。
『本当は、私が視なければそれで済む話なんですけれど…。やっぱり、他人にどう思われているか見ないと怖くって…そうすれば、どう立ち回ればいいかも分かるし、かえって安心するんです。だから…』
ぎゅっ
気が付くと私はキバナさんに抱きしめられていた。さっきはシグレに抱き着かれていたが、シグレよりも大きく、私の上半身から頭までの全体をすっぽりと覆い隠すような体格に、まるで大きな竜に食べられてしまったかのような錯覚にすら陥ってしまう。でも不思議と心地は悪くはなく、むしろほっとしてしまう。
「………」
『あっ、あの、つかぬ事をお聞きしますが…本当にそれが答えなんですか?』
「…バニラには何が見えてるんだ?まずはそれを聞かせてもらおうじゃねえか」
『…信じてもらえないかもしれないですけど、私、他人の感情が色で視えるんです。たまに象られてるのも視えるんですけど。それで今キバナさんを「視た」ら、ピンク色だったんです。ピンク色って、まあ「興奮」だとか主にそういうものなんですけど、キバナさんの場合、「恋慕」の感情が一番強く視えたんです…これ、どういう』
ことですか、と言い切ろうとしたのに、それは叶わなかった。キバナさんが急に手を伸ばしてきて私の頬を片手で挟み込んでしまったからだ。ガッチリ掴まれてしまったので首を振って払うこともできず。キバナさんは水色の穏やかな、でもどこか鋭さを秘めた双眸でただただ私をじっと見つめてくる。
「成る程なあ、お前の前じゃ隠し事が出来ねえって訳か。んで、ずっとそれを隠してきたのか」
『ひ、ひふぁふぁふぁん…?』
「…ますますほっとけねえな」
ばつの悪そうな顔をするキバナさんはしばらく私の頬をふにふにとした後、今度は頭を撫で始めた。そして一呼吸。
「…あーそうだよ。俺様お前の事好きなの。開会式の時に見たときから気になり始めてな。」
『えええっ!?本当に最初の最初の頃からじゃないですか!』
「そーそー。まさかこんな形でバレるとは思わなかったけどな」
『わ、私もそんな感情向けられた事が無くって驚きましたけど…嫌いになりましたか?』
「さっきも言ったろ。絶対嫌いになんねえって。それに、お前の方こそ、俺様が無理に言わせたみたいにして悪かったな。ちなみにその色が見えるっていうのは俺様以外に知ってるやつはいるのか?」
『とりあえずは両親と、手持ちのポケモン達くらいです。』
「……辛くなかったか?」
何が、とは聞かなかった。キバナさんが聞いているのは、多分、「秘密を明かせる人が少なくて苦しくなかったのか」や「その能力が嫌な物を見る時にしか使えなかったのではないか」という事だろう。
『本当は、私が視なければそれで済む話なんですけれど…。やっぱり、他人にどう思われているか見ないと怖くって…そうすれば、どう立ち回ればいいかも分かるし、かえって安心するんです。だから…』
ぎゅっ
気が付くと私はキバナさんに抱きしめられていた。さっきはシグレに抱き着かれていたが、シグレよりも大きく、私の上半身から頭までの全体をすっぽりと覆い隠すような体格に、まるで大きな竜に食べられてしまったかのような錯覚にすら陥ってしまう。でも不思議と心地は悪くはなく、むしろほっとしてしまう。