悪天候の悲劇
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〈キバナside〉
…フライゴンに「すなあらし」を覚えさせておいて正解だった。徐々に蝕まれていくバニラのポケモン。流れが変わった。攻めるなら、今だ。
「フライゴン!ストーンエッジだ!」『ッ!コグレ、サイコショックで砕いてください!』
ほお、あの岩を砕いてみせるか。さっきの壁を張ったイエッサンとは違ってやっぱりアイツは純粋なアタッカーってわけか。ノーマルタイプは突出した特徴があるというわけではないが、とにかくバリエーションが豊かだ。様々なタイプの技を覚える。チラチーノがいい例だったな。そして俺様のドラゴンタイプを相打ち覚悟で対策してきたジジーロン。壁を張って体力を調整しつつ、特性「ぎゃくじょう」で火力を底上げしていく。戦術としては申し分ない。
あぁ、やっぱりアイツは素質がある。あいつがナックルシティで名のあるトレーナーだったらすぐにでもジムトレーナーにスカウトしていただろう。俺様が鋭利な剣だとしたら、アイツはあらゆる武器を通さない盾だ。いっそのこと城といっても過言ではないのかもしれない。
「やるじゃねえか!だがこのすなあらしでいつまで持ちこたえられる!畳みかけるぞ、フライゴン!」
だが、少し守りに徹しすぎたな。そうこうしている間にもすなあらしはお前らを蝕む。さあ、どう出る。このままそのイエッサンを戦わせ続けるか、手持ちを入れ替えに来るか。あぁ、あぁ、こんな楽しい試合はダンデと戦う以外では味わったことがない!もっと、もっと俺の嵐を防ぎきってくれよ!!!
俺様の高揚と同調するように増々吹き荒れるすなあらし、ポケモンより後ろにいるバニラはもちろん、最早目の前のイエッサンすら霞んで見えにくい状況だ。ここ近年ですらこんなすなあらしは起こしたことがない。…少しやり過ぎたか?
そう思っていた矢先だった。
「…りる!」
かろうじて見えるイエッサンが、突然試合中だというのに後ろを振り向いた。なんだなんだ、相手に背を向けるなんて、と少し興ざめしかけたその途端
がつん
少し遠くからだったか、嫌に鈍い音が向こうからした。その直後にがしゃんとなにかが倒れるような音。嫌な予感が背筋を一気に駆け抜けていった。
「…ッ!フライゴン!出来るだけすなあらしを吹き飛ばせ!!」
主の指示を聞いたフライゴンは自身の翼を大きく動かし、荒れに荒れていたすなあらしを吹き飛ばしていった。悪かった視界が少しずつ晴れていく。
観客が視認できるくらいにスタジアムが晴れ、試合直後までバニラの佇んでいた場所に注目する。
バニラは後ろ向きに車椅子ごと倒れこみ、頭から血を流していた
…フライゴンに「すなあらし」を覚えさせておいて正解だった。徐々に蝕まれていくバニラのポケモン。流れが変わった。攻めるなら、今だ。
「フライゴン!ストーンエッジだ!」『ッ!コグレ、サイコショックで砕いてください!』
ほお、あの岩を砕いてみせるか。さっきの壁を張ったイエッサンとは違ってやっぱりアイツは純粋なアタッカーってわけか。ノーマルタイプは突出した特徴があるというわけではないが、とにかくバリエーションが豊かだ。様々なタイプの技を覚える。チラチーノがいい例だったな。そして俺様のドラゴンタイプを相打ち覚悟で対策してきたジジーロン。壁を張って体力を調整しつつ、特性「ぎゃくじょう」で火力を底上げしていく。戦術としては申し分ない。
あぁ、やっぱりアイツは素質がある。あいつがナックルシティで名のあるトレーナーだったらすぐにでもジムトレーナーにスカウトしていただろう。俺様が鋭利な剣だとしたら、アイツはあらゆる武器を通さない盾だ。いっそのこと城といっても過言ではないのかもしれない。
「やるじゃねえか!だがこのすなあらしでいつまで持ちこたえられる!畳みかけるぞ、フライゴン!」
だが、少し守りに徹しすぎたな。そうこうしている間にもすなあらしはお前らを蝕む。さあ、どう出る。このままそのイエッサンを戦わせ続けるか、手持ちを入れ替えに来るか。あぁ、あぁ、こんな楽しい試合はダンデと戦う以外では味わったことがない!もっと、もっと俺の嵐を防ぎきってくれよ!!!
俺様の高揚と同調するように増々吹き荒れるすなあらし、ポケモンより後ろにいるバニラはもちろん、最早目の前のイエッサンすら霞んで見えにくい状況だ。ここ近年ですらこんなすなあらしは起こしたことがない。…少しやり過ぎたか?
そう思っていた矢先だった。
「…りる!」
かろうじて見えるイエッサンが、突然試合中だというのに後ろを振り向いた。なんだなんだ、相手に背を向けるなんて、と少し興ざめしかけたその途端
がつん
少し遠くからだったか、嫌に鈍い音が向こうからした。その直後にがしゃんとなにかが倒れるような音。嫌な予感が背筋を一気に駆け抜けていった。
「…ッ!フライゴン!出来るだけすなあらしを吹き飛ばせ!!」
主の指示を聞いたフライゴンは自身の翼を大きく動かし、荒れに荒れていたすなあらしを吹き飛ばしていった。悪かった視界が少しずつ晴れていく。
観客が視認できるくらいにスタジアムが晴れ、試合直後までバニラの佇んでいた場所に注目する。
バニラは後ろ向きに車椅子ごと倒れこみ、頭から血を流していた