第一章
夢小説設定
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その日の夜、自分の部屋と割り振られた部屋のベッドで寝ていたあきらだったが、妙に寝付けずにいた。
知らない人といきなり共同生活なんて初めてだ。
壁で遮られていてもその壁の向こう側に誰かが寝ていると思うと寝付けなかった。
「喉渇いた……」
水でも飲みにいこうと一階に下りるとなんとまだセンクウが起きていた。
「どうした」
「いや、なんか眠れなくて、センクウは?」
「薬の調合がさっき終わったところだ」
きりのいいところまで進めたかったからな、と言うとセンクウは欠伸をした。
何とも仕事熱心なやつだ。
センクウがホットミルクでも飲むかと薦めてくれたのでありがたく受け取ることにする。
ホットミルクが入ったマグカップを受け取り飲むとほっと心が安らいだ。
同じくセンクウも同じホットミルクを口に運んでいる。
ふと、窓を見ると月の光が差していた。
センクウは窓の外の月を悲しげな目で眺めていた。
そんな目で見ていたからかあきらはどうしてそんな悲しそうなの、と聞いた。
「…………あきらは、自分の何かが欠けていると感じたことはねぇか」
「欠け……??」
センクウの瞳を見ると嘘とは思えない。
「なんつうか、形容しにくいんだが
自分を構成する……何か大切なものが自分の中から消えてるような気がすんだよ」
センクウは気がするっていうのはあんま言いたくないんだがな、と付け足す。
「その大切なものって……?」
「分からねぇ、それすらも忘れちまったのか……
とにかく月を見るとそう思う」
センクウはぎゅっと眉間を寄せている。
よほど取り戻したい何かがあるのだろう。
そして、私はそれに近いものを持っている。
「………私も似たような事思ってる
センクウとはちょっと違うけど」
そして、センクウは聞いたら返答に詰まるような気がする。
「私ね、好きな人がいたはずなの」
「は??」
突然何言ってんだ、視線が向けられているが気にせず続ける。
「でも、その人が誰なのか、どんな顔してるとかが全く思い出せなくて
分かるのは一人好きな人がいたって事だけ
これってセンクウが言ってる事と似てるよね?」
「……まぁ……似てなくもねぇか」
クク、センクウは笑みを浮かべた。
「っと、もう夜も遅ぇしそろそろ寝るぞ」
「そうだね」
マグカップを片付け自分の部屋に入ろうとしたあきらをセンクウは引き留めた。
「明日、ちーーと話あっから」
「え」
唐突に吹っ掛けられ、固まったあきらを余所にセンクウは自分の部屋に戻っていってしまった。
「……話って何……?」
恋愛の話をしたのが悪かったのだろうか、とあきらは再び寝付けなくなってしまった。
知らない人といきなり共同生活なんて初めてだ。
壁で遮られていてもその壁の向こう側に誰かが寝ていると思うと寝付けなかった。
「喉渇いた……」
水でも飲みにいこうと一階に下りるとなんとまだセンクウが起きていた。
「どうした」
「いや、なんか眠れなくて、センクウは?」
「薬の調合がさっき終わったところだ」
きりのいいところまで進めたかったからな、と言うとセンクウは欠伸をした。
何とも仕事熱心なやつだ。
センクウがホットミルクでも飲むかと薦めてくれたのでありがたく受け取ることにする。
ホットミルクが入ったマグカップを受け取り飲むとほっと心が安らいだ。
同じくセンクウも同じホットミルクを口に運んでいる。
ふと、窓を見ると月の光が差していた。
センクウは窓の外の月を悲しげな目で眺めていた。
そんな目で見ていたからかあきらはどうしてそんな悲しそうなの、と聞いた。
「…………あきらは、自分の何かが欠けていると感じたことはねぇか」
「欠け……??」
センクウの瞳を見ると嘘とは思えない。
「なんつうか、形容しにくいんだが
自分を構成する……何か大切なものが自分の中から消えてるような気がすんだよ」
センクウは気がするっていうのはあんま言いたくないんだがな、と付け足す。
「その大切なものって……?」
「分からねぇ、それすらも忘れちまったのか……
とにかく月を見るとそう思う」
センクウはぎゅっと眉間を寄せている。
よほど取り戻したい何かがあるのだろう。
そして、私はそれに近いものを持っている。
「………私も似たような事思ってる
センクウとはちょっと違うけど」
そして、センクウは聞いたら返答に詰まるような気がする。
「私ね、好きな人がいたはずなの」
「は??」
突然何言ってんだ、視線が向けられているが気にせず続ける。
「でも、その人が誰なのか、どんな顔してるとかが全く思い出せなくて
分かるのは一人好きな人がいたって事だけ
これってセンクウが言ってる事と似てるよね?」
「……まぁ……似てなくもねぇか」
クク、センクウは笑みを浮かべた。
「っと、もう夜も遅ぇしそろそろ寝るぞ」
「そうだね」
マグカップを片付け自分の部屋に入ろうとしたあきらをセンクウは引き留めた。
「明日、ちーーと話あっから」
「え」
唐突に吹っ掛けられ、固まったあきらを余所にセンクウは自分の部屋に戻っていってしまった。
「……話って何……?」
恋愛の話をしたのが悪かったのだろうか、とあきらは再び寝付けなくなってしまった。