「着いたぞーー！！！！」
両手を上に上げ元気よく叫ぶタイジュをセンクウはうるせぇと耳に手を当てて睨んだ。

「ここがギルドハウス……」
あきらは目の前に建つハウスを眺めたが、隣にもう一つギルドハウスよりこじんまりとした建物があるのに気付いた。

「センクウ、こっちの建物って何？」
「ああ、そっちは研究用の工房だ」
センクウが言うにはメインのギルドハウスを拠点にしていたが、徐々に手狭になり元のギルドハウスは住居にして、その横に工房を立てたらしい。
最初からそうすれば良かったのだが、ある程度成果が認められないと駄目らしい。
逆に成果が認められば、このように色々改築等が出来るようになるとか。

「こっちの工房は明日にするとして
まずはハウスの説明だな」
センクウが言うには、一階は主に共有スペース。(キッチン、風呂など)
二階はそれぞれの部屋が並んでいる。
センクウの隣がタイジュ、そしてタイジュの真向かいがユズリハの住む部屋だ。
そしてあきらの住む予定の部屋はユズリハの隣……つまりセンクウの真向かいの部屋でもある。

「ちょっと待って、センクウ一緒に住むの……？」
年頃の男女が一緒の家に住まうのはあれじゃないだろうかとセンクウに言うと、なんと気にすんなと返ってきた。
気にすんな、て。
なんというかセンクウはことごとく恋愛絡みのことについて興味が薄いようだ。
普通恥じらうものではないだろうか……
が、同じギルドに所属する以上集団生活は否めないか……とあきらは無理やり自分を説得した。