「で、テメーはなんでぶっ倒れてたんだ
他のギルドメンバーは？」
「あーーー
私ギルド入ってなくて……」
あきらはそう言うとセンクウ達は驚いた。
「入ってないって……
普通ギルドに所属するのが常識だろ
まぁ、たまにそういう旅人いるって聞いた事はあるが…………」
ギルド、それは特定の目的を持って活動する人たちの集合体と意味する用語だ。
ランドソルでは国民全員にギルドに入る義務が課せられており入ると公共サービスが受ける事が可能だ。
逆に入らないとその他サービスが受けられないことになるのだが、まれにギルドを所属せず各地を旅して回る者がいるという。
「まぁ、そのなんやかんやであちこち旅して回ってるんだけど……
色々困ってる人達の手助けとかしながら」
あきらは何故一人旅をしている理由を話さずに話を進めた。
「昨日モンスターに襲われてる人達がいて
とりあえず逃がそうとしたんだけど
モンスターと応戦してたら急に背後から襲われて……」
もう一匹モンスターがいたみたい……と嘆くあきらに対しセンクウはとある事を思い出した。
「いや、それモンスターじゃねぇだろ」
「え？？」
「この辺りでもっぱら噂になってたんだけどな
飼い慣らしてるモンスターに襲われてる振りして通行者を襲って身ぐるみ剥がすっていう盗賊が……」
センクウの言葉にあきらはさーーっと顔を青くした。
急いでごそごそと自分の荷物を確認すると……
「な、ない！！！！
お金が入った袋がない！！」
それだけではない、貴重品やなどなど……
挙げ句の果てに武器すらも見当たらない。
幸い服は剥がされてなく肉体にも何もされてないのは不幸中の幸いだが……
これではほぼ裸一貫だ。
「だ、大丈夫？？？」
ユズリハに心配されたあきらは大丈夫と笑顔を浮かべたが顔はひきつっていた。
(急にお金を稼ぐなんて出来ないし……)
このままでは宿なし野宿に……！！と頭を抱えているとセンクウが口を開いた。
「おい、あきら」
「セ、センクウ
ありがたいけどこれ以上手助けは……」
怪我の手当てもしてもらって更に助けてもらうなんておこがましいと断ると。
「あ“ーーーー、そうじゃねぇ
色々助けた分のお礼まだだったよな？？」
しめて◯◯ルピなと付け足すとあきらはますます顔を真っ青にした。
「いや、無一文って言わなかった！？！？」
「あ“あ、ばっちり聞こえた
つーーーことで…………払えねぇなら体で払ってもらおうか」
とんでもない発言をしたセンクウにあきら、タイジュ、ユズリハは仰天の声を上げたのだった…………