センクウ達はとある素材を入手するためランドソルを離れていた。
そんなある日のことである。
その道中突然と大きな音を立てて魔物が接近してきた。
かなり大きい、ワイバーンだと思ったあきらはん？とワイバーンの口に注目する。
よくよく見てみると、なんと少年が食われたまま運ばれていた。
「あ、あれ誰か食われてないか？」
「どうみても現在進行形で食われるだろ！！デカブツ！！」
ワイバーンに思いっきり食われている少年はわーーー棒読みじみた悲鳴を上げそこから抜け出す様子もない。
あきらはタイジュに叫んだ。
「タイジュ！！私を思いっきりあれに向けて投げて！！」
「あ、ああ！分かった！！！」
タイジュはあきらの服を掴みワイバーンに向けて投げた。
が、そもそも飛んでいる飛行体からは距離がありこのままではたどり着けそうにない……と考えているとあきらの体を風が後押しした。
後方を見ればセンクウがやれやれといった感じでサポートしている。
恐らく風を操る魔法を使ったのだろう。
センクウの補助もありあきらはワイバーンへとたどり着く。
「はああああああ！！！！！」
腰に下げていた剣を落下の衝撃も利用してワイバーンの脳天に叩き込む。
叩き込れた衝撃でワイバーンは口を開け食べられていた少年を吐き出して地面へと放り出された。
まともに受け身をとれず落下したに近いが大丈夫だろうか……？と慌てて様子を見に行くとセンクウ達の他に少女達の声が近づいてくる。
「主様ーーー！！！ご無事ですか！？」
「ユウキくん！大丈夫ですか？」
「あんたのことだからまた食べられるじゃって思ってたけど……
全く今日で何回目よ！！！」

少年は食べれていた事を気にする素振りは見せず大丈夫だと示すように両腕をあげた。
「あなたがユウキくんを助けてくれたんですね！！ありがとうございます！！」
両手を掴まれぶんぶんと大袈裟に握手する少女にあきらは戸惑いつつ笑顔で答えた。
オレンジ色の少女とエルフ族と思われる幼い少女、そして獸属の少女三人はこの少年のギルドメンバーだったりするのだろうか？
「おい、そいつ大丈夫か？」
とそこでセンクウ達が追い付いた。
「うん、とりあえずは
えっと……」
「ああ、名前ですね！！
私は……ペコリーヌです！！」
笑顔で答えた少女にあきらはまさかこの少女が本当の王女だとは露にも思わなかったのである。