センクウら5人は城内の謁見の間をおとづれた。
今日は定期的に行われる王への献上品を贈る日なので特別に謁見が許された日でもある。
踏み入れたことのないとこにいるせいかあきらはとても緊張しつつ片膝をついた。
「ユースティアナ陛下の御前である、頭をたれよ」
皆が頭を下げるのを見てあきらも同様にしたがそれよりも。
あきらは目の前に現れた者の威圧感に息を詰まらせた。
ユースティアナ・フォン・アストライア。
ランドソルに君臨する女王……なのだが。
あきらはまるで蛇に睨まれた蛙のごとく身がすくんでいた。
立場の高い者とあえば緊張するのは当然のことだがこの震えはそれとは違うものだ。
目の前にいる人物をあきらは本能的に危険な人物だと感じとった。
「ユースティアナ陛下本日は……」
センクウが挨拶しようとするとユースティアナは挨拶はいいと言う。
「ええと、ギルドリサーチ
それ置いてもう帰っていいわよ」
センクウが側近に献上品を渡す。
それで謁見は終わり。
何事もなく終わったので一向は城を出た。
城から離れあきらは緊張で強張らせていた体の力を抜いた。
「はあ～～～～疲れた……」
「分かる、えらい人と会うのって疲れるよね」
「……うん」
ユズリハの言葉にあきらは合わせたが理由はそれだけではない。
あのユースティアナという女王。
王というだけあって実力がとてつもないという事が分かったがそれよりも。
その場で何かその機嫌を損ねるような事があればそく首が飛ぶのでは……と思いとても生きた心地がしなかった。
……あの女王は……とても危険な存在だ。
「悪ぃな、急に付き合わせて
うちは王国から研究資金貰ってるからその成果やらなんやらで行かなくちゃいけなくてな」
「そうだったんだ」
するとタイジュが贈ったポーションが役立ってるといいなと言ったのだがセンクウは妙に意味深な表情でああそうだといいなと話した。
実は内心センクウはあの女王をよく思っていない。
(……あの女王……
ギルドのメンバーが一人増えてるのに気づいてなかったな)



「陛下、この献上品はいかがしたしますか」
「ああ、それね
いつものように倉庫にほっといてちょうだい」
さして興味もなさそうなユースティアナは一人にしてちょうだいと部下を追い払った。
研究成果として贈られた献上品はこうして倉庫に眠る、その中にはセンクウたちのポーションも混じっていた。
そう彼は国民達の事をほぼどうどもいい存在と認識している。
彼にとってこの王国は自分の目的の為の生け贄でありそれがどうなろうと自分の知ったことではないからだ。