第一章
夢小説設定
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ここアストライア大陸のとある平原にて、センクウ、タイジュ、ユズリハの三人は野宿をしていた。
三人揃って同じギルドに所属しており、本日はとある討伐の依頼を終えた帰りである。
……が、何とか討伐を達成出来たものの三人は疲労困憊であった。
というのもまともに戦える戦力が女子のユズリハくらいしかいないからである。
タイジュは盾役としては立派だがまともに攻撃ができず(したくない)、センクウはユズリハよりも非力でサポート中心。
そんなこんなでギルド活動をしているが、この三人では魔物討伐はかなり厳しい。
とはいえ目的の為には金が必要不可欠、その他の依頼で稼ぐことも出来るが手っ取り早いのはやはり魔物討伐だろう。
それに各地には危険な魔物も生息すると聞く。
護衛を雇う手もあるが……それもまた金が……。
「センクウくん、夕食の準備出来たよ」
ユズリハに声をかけられたセンクウはああ、と返事をして持っていた紙を懐にしまった。
「ユズリハのスープは美味しいな!!」
「やだ、タイジュくん大げさだよ」
わはははと談笑する二人を仄かにやわらかい目で見つつセンクウは手もとのパンを口に放り込んだ。
と大きく笑ったタイジュが突如、イテテ、と体を縮こまらせた。
「タイジュくん、大丈夫……?」
「ん、ああ、少し傷口が……まぁ、大丈夫だ
俺は頑丈だからな!!」
ぐっと力こぶを強調するタイジュはそんなことよりもユズリハの方を気にかけた。
「俺はまだいい、耐久力なら自信があるからな
ユズリハの方こそ疲れてないか?」
「ううん、これくらい平気」
と言うユズリハだったが疲労の蓄積があるくらいタイジュにだって分かることだ。
「…………すまない、いつも
俺が戦えさえすれば……」
「しょうがないよ、タイジュくんは戦いたくないんだから、傷つけたくないんだよね?」
と問うとタイジュはコクりと頷いた。
「ああ、いくら魔物だろうと……」
「……それがタイジュくんの良いところだから、私はそんなタイジュくんの事が好きだよ?」
「…………!?!?」
タイジュは顔を真っ赤にした。
「あっ、え、えっと、その!
と、友達として、ね!」
ユズリハはわたわたとあわてて訂正した。
「そ、そうかーー!!と、友達か!!
お、俺もユズリハの事が…………す、すきだ、ぞ……と、友達!としてな!!はははは!!」
ふしゅーと湯気が出るくらい真っ赤になった二人を見てセンクウはやれやれと溜め息をついた。
未だ友人の線から一歩出る勇気が出ないのかいつもこうである。
(っと、明日はどのルートでいくか……)
センクウは地図を広げて思案し始めた。
そういえばここから少し離れた場所で竜の討伐依頼が出てたな……とふと思い出す。
その報償金にぐっと意思が揺らぐもセンクウは脳内でその選択肢を削除した。
(せめて…………あと1人……)
翌日、センクウはタイジュの大声で目が覚めた。
「センクウーー!!!!!!!」
「あ“?……朝っぱらからうるせぇな……」
いきなりなんだと思ったセンクウだが、慌てように疑問に思い眉間を寄せた。
「た、大変だ!!!
と、とにかく来てくれ!!!」
「お、おい」
無理やり引っ張られるがまま走ると。
そこには気絶したと見られる少女が倒れていた。
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