【シリーズ】鬼龍長編夢
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そよそよと春の風が舞い私はとある学園の前に来ていた。
なんでこんなことになったのか、私は昨日起きた出来事を思い出す。
久方ぶりに住んでいたここにまた戻ってきたのは1週間前のことだ。
高校3年になって転校生は珍しいと集まられたもののすぐにその足は遠のいていってしまった。
クラスに馴染めない私を気遣ってか母はとある学園で行われている学園祭に行ってきたらどうだと言った。
休日家に隠ってるのもあれか、とよく見もしないで私はその学園に来ているのだが。
「しまった」
その学園とは夢ノ咲学園。
分かりやすくいえばアイドルの学舎ともいえる。
そのアイドルを見に大勢の女子が賑わっていた。
が、私はそのアイドルに興味がないのだ。
道理で母が驚いていたわけである。
「せっかく来たし、なあ」
入り口でとんぼ返りするのもあれだから何か見ようと思ったもののなんせテレビで見るアイドルは同じ顔に見える人間な為どれを見ればいいのか……
と困っていると黒髪に赤色が差したような髪の学生が声をかけてきた。
「お姉さん、何かお困りっすか?」
「え、ああ、うん」
「目当てのアイドルとかいないんすか?」
「あ、えーと、いない、かな……」
学生君はうーーん……と唸った後一枚のチケットを差し出した。
「これなんてどうっすか!?」
私は差し出されたチケットを受け取った。
チケットには『紅月』と書かれている。
「くれ、ない?」
「ああ、それあかつきって読むんすよ」
紅月は和風のユニットでアイドルらしい曲も少なく一般のお客さんが見ても楽しめるのでは……と思って薦めてくれたらしい。
「特に!大将がかっけーっす!!
こう!男の中の!男!ってゆーか!」
と熱く語り始め私が若干困惑しているのに気づいたのか学生君は慌てて謝った。
「す、すみませんっす!」
「いいよ、これ買うね」
「っ!ありがとうございます!!!」
学生君と別れ私はその紅月がライブをやるステージを訪れた。
おお、お客さんが多い。
皆ペンラという光る棒を持って静かにライブが始まるのを待っていた。
客席のライトが暗くなり、ステージにパッと光が当てられた。
アイドルの登場に周りが色めき立つなか私は呆然とステージを仰視する。
(うそ……)
ステージにいるアイドルの中に、あいつが、いた。
遠い昔の記憶が甦る。
喧嘩ばかりで荒んでこのまま放っておいたらいけないと手を伸ばした。
結局あの選択はいけなかったしあれ以降連絡を取るのも躊躇っていたけれど。
まさかアイドルになっていたなんて。
(良かった……紅郎)
楽しそうに舞っているあいつを見て私は頬をほころばした。
一瞬こっちを見て驚いたような気がしたけどまぁ、気のせいだろう。
もう私のことなんて忘れてるに違いないし。
とにかくやりたいことを見つけていきいきと踊っているあいつを見て今日ここに来れてよかった、と思ったそんな日だった。
なんでこんなことになったのか、私は昨日起きた出来事を思い出す。
久方ぶりに住んでいたここにまた戻ってきたのは1週間前のことだ。
高校3年になって転校生は珍しいと集まられたもののすぐにその足は遠のいていってしまった。
クラスに馴染めない私を気遣ってか母はとある学園で行われている学園祭に行ってきたらどうだと言った。
休日家に隠ってるのもあれか、とよく見もしないで私はその学園に来ているのだが。
「しまった」
その学園とは夢ノ咲学園。
分かりやすくいえばアイドルの学舎ともいえる。
そのアイドルを見に大勢の女子が賑わっていた。
が、私はそのアイドルに興味がないのだ。
道理で母が驚いていたわけである。
「せっかく来たし、なあ」
入り口でとんぼ返りするのもあれだから何か見ようと思ったもののなんせテレビで見るアイドルは同じ顔に見える人間な為どれを見ればいいのか……
と困っていると黒髪に赤色が差したような髪の学生が声をかけてきた。
「お姉さん、何かお困りっすか?」
「え、ああ、うん」
「目当てのアイドルとかいないんすか?」
「あ、えーと、いない、かな……」
学生君はうーーん……と唸った後一枚のチケットを差し出した。
「これなんてどうっすか!?」
私は差し出されたチケットを受け取った。
チケットには『紅月』と書かれている。
「くれ、ない?」
「ああ、それあかつきって読むんすよ」
紅月は和風のユニットでアイドルらしい曲も少なく一般のお客さんが見ても楽しめるのでは……と思って薦めてくれたらしい。
「特に!大将がかっけーっす!!
こう!男の中の!男!ってゆーか!」
と熱く語り始め私が若干困惑しているのに気づいたのか学生君は慌てて謝った。
「す、すみませんっす!」
「いいよ、これ買うね」
「っ!ありがとうございます!!!」
学生君と別れ私はその紅月がライブをやるステージを訪れた。
おお、お客さんが多い。
皆ペンラという光る棒を持って静かにライブが始まるのを待っていた。
客席のライトが暗くなり、ステージにパッと光が当てられた。
アイドルの登場に周りが色めき立つなか私は呆然とステージを仰視する。
(うそ……)
ステージにいるアイドルの中に、あいつが、いた。
遠い昔の記憶が甦る。
喧嘩ばかりで荒んでこのまま放っておいたらいけないと手を伸ばした。
結局あの選択はいけなかったしあれ以降連絡を取るのも躊躇っていたけれど。
まさかアイドルになっていたなんて。
(良かった……紅郎)
楽しそうに舞っているあいつを見て私は頬をほころばした。
一瞬こっちを見て驚いたような気がしたけどまぁ、気のせいだろう。
もう私のことなんて忘れてるに違いないし。
とにかくやりたいことを見つけていきいきと踊っているあいつを見て今日ここに来れてよかった、と思ったそんな日だった。