【シリーズ】鬼龍長編夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
とある春の日。
鬼龍は空手部の部室でうたた寝をしていたところ夢を見た。
昔々の幼馴染と喧嘩別れをした時の事を夢の中で振り返った。
鬼龍には斉宮の他に一人幼馴染がいた。
名前は五十嵐あきらという。
家が近く気があった二人はとても仲が良かった。(斉宮とあきらは性格が合わなかったのかそんなに仲はよくない)
小学校の頃は一緒に遊んだり空手道場に通ったり鬼龍の母に裁縫を習ったりしていて特に関係に支障をきたす事は無かった。
が、中学に入ってから亀裂が入った。
まず、呼び方が変わった。
今までは名前を呼んでいたのだが。(そもそも鬼龍はあだ名で呼ぶ派だったが、彼女が嫌がった為名前で呼んでいた)
中学に入ってからほどなくしてあきらが苗字で呼ぶようになった。
理由は知らないのだが鬼龍も次第に彼女の事を「五十嵐」と呼ぶようになった。
少し距離を感じつつも付き合いが急に悪くなったわけでは無かった為鬼龍はさほど気にしなかった。
二人の関係が変化したのはあの頃からだ。
そう、鬼龍の母が亡くなったあの時から。
死に目に会えなかったからか、そもそも亡くなったせいかどちらかは分からないが鬼龍はやさぐれ自分の事も家族の事も何もかもなげやりにするようになった。
少し下の妹の面倒や父との争いから逃げ不良たちと喧嘩の毎日が続いた。
学校も次第に更けるようになり生徒からは恐怖の目で見られ段々と孤立していくようになった。
そんな中あきらは今までと変わらず接し続けた。
鬼龍は絶えず喧嘩をしていた為怪我がたくさんあった。
それをあきらは理由は聞かずに自身の家に連れていって手当てをする、というのが一連の流れだ。
その日も帰宅しようとしていたあきらの前にふらっと鬼龍が現れた。
いつも通り理由は聞かずにいようと思ったがそのやり取りが一年ほど続いていた為つい口に出してしまった。
「鬼龍、たまにはさ家族と話した方がいいんじゃないかな」
あきらは前から交流のあった鬼龍の妹とこの一年間時折会っていたのだが。
鬼龍は家に帰っても何もかもおざなりのようでろくに会話していないらしい。
亡くなった寂しさからか鬼龍妹は塞ぎ混むようになりその状態は一年経っても改善する事はなかった。
仲が良いとは言えこの一年変わらなかった事を痛感しあきらは訴えかけた。
「鬼龍が必要なんだよ、あの子には
家族じゃないと駄目なんだって」
「うるせぇ」
話を切り出したところ鬼龍は苛立ったのか道端に座りこんでしまった。
「学校だってサボってばっかで……
高校だってどうするの」
「高校なんざどこだっていいだろ」
何を聞いてもなげやりな答えしか返ってこない鬼龍にあきらは拳を握りしめた。
鬼龍は立ち上がり無言で立ち去ろうとしたがあきらが服を掴んだ。
「ほっといてくれ」
「ほっとけない!心配なんだよ!」
必死な様子のあきらに苛立ち鬼龍はその手を振り払った。
「うぜぇんだよ、いらねぇお節介かきやがって
てめえなんかどうでもいいんだ!!
どっかいけ!!!!」
そうぶちまけてから鬼龍は言ってはいけないことを口にしたとハッと気づいた。
気づいた時には時既に遅し。
思いっきり右頬に平手打ちを食らった。
何すんだとあきらを見た。
泣いていた。
怒りと悲しみと苦しさ、色んな感情がごっちゃ混ぜになったような顔で泣いていた。
「……バカ、紅郎のバカ、紅郎なんか、大っきらい!!!!」
そう言ってあきらは走って帰ってしまった。
それから一週間ほど経って鬼龍は久しぶりに学校に行った。
正直気まずくて会えなったが本心ではない事を言ってしまったし何より謝りたかった。
が、あきらのクラスに本人の姿がない。
休み、かと今度は家に出向いた。
が、チャイムを鳴らしたが誰もでてくる様子がない。
よほど風邪を拗らせたのかと少し心配になった時同じマンションに住む住人が怖がりつつ鬼龍に話しかけた。
「もしかして……[#da=2 #]さんにご用ですか?」
「あ、はい」
「もうお引っ越しなさられて居られませんよ?」
「……は?」
ご存知ありませんでしたか、残念でしたねと言いその住人はそそくさと立ち去りその場には鬼龍だけが残された。
「鬼龍……鬼龍!!」
「ん、ああ、蓮巳の旦那か……
悪い、寝てたか」
今日はライブもあるのに弛んでいるぞと叱咤を受けつつ鬼龍はすまねぇと謝った。
「全く……ん?どうした」
「あ、ああ、悪い、ちょっと昔の夢見てたもんでよ、ちょっとな」
「そうか、そろそろ集合時間だ、遅れないようにな」
と注意されつつ鬼龍は頷いた。
あれから3年以上が経ち鬼龍は夢ノ咲学園に通いアイドルを目指す日々を送っている。
その生活を送るうちに家族と多少は関係が修復し妹とたわいもない話が出来るようになった。
あれ以降あきらとは一度も会えていない。
引っ越し先がどこなのかそれすらも知らずそして鬼龍はそれを調べる事すらしようとはしなかった。
「まさか本当にどっかいっちまうとはな……」
連絡してこないのは本当に会いたくないのではないかとつい思ってしまう。
「っと、そろそろ行かねぇとまずいか」
今日は一般人も交えたイベントだ。
当然紅月のライブもある。
「にしても何で今になって夢見るとはな
今日のイベントに来てたり……はしねぇか」
何てな、と否定して鬼龍は指定場所に向かった。
鬼龍は空手部の部室でうたた寝をしていたところ夢を見た。
昔々の幼馴染と喧嘩別れをした時の事を夢の中で振り返った。
鬼龍には斉宮の他に一人幼馴染がいた。
名前は五十嵐あきらという。
家が近く気があった二人はとても仲が良かった。(斉宮とあきらは性格が合わなかったのかそんなに仲はよくない)
小学校の頃は一緒に遊んだり空手道場に通ったり鬼龍の母に裁縫を習ったりしていて特に関係に支障をきたす事は無かった。
が、中学に入ってから亀裂が入った。
まず、呼び方が変わった。
今までは名前を呼んでいたのだが。(そもそも鬼龍はあだ名で呼ぶ派だったが、彼女が嫌がった為名前で呼んでいた)
中学に入ってからほどなくしてあきらが苗字で呼ぶようになった。
理由は知らないのだが鬼龍も次第に彼女の事を「五十嵐」と呼ぶようになった。
少し距離を感じつつも付き合いが急に悪くなったわけでは無かった為鬼龍はさほど気にしなかった。
二人の関係が変化したのはあの頃からだ。
そう、鬼龍の母が亡くなったあの時から。
死に目に会えなかったからか、そもそも亡くなったせいかどちらかは分からないが鬼龍はやさぐれ自分の事も家族の事も何もかもなげやりにするようになった。
少し下の妹の面倒や父との争いから逃げ不良たちと喧嘩の毎日が続いた。
学校も次第に更けるようになり生徒からは恐怖の目で見られ段々と孤立していくようになった。
そんな中あきらは今までと変わらず接し続けた。
鬼龍は絶えず喧嘩をしていた為怪我がたくさんあった。
それをあきらは理由は聞かずに自身の家に連れていって手当てをする、というのが一連の流れだ。
その日も帰宅しようとしていたあきらの前にふらっと鬼龍が現れた。
いつも通り理由は聞かずにいようと思ったがそのやり取りが一年ほど続いていた為つい口に出してしまった。
「鬼龍、たまにはさ家族と話した方がいいんじゃないかな」
あきらは前から交流のあった鬼龍の妹とこの一年間時折会っていたのだが。
鬼龍は家に帰っても何もかもおざなりのようでろくに会話していないらしい。
亡くなった寂しさからか鬼龍妹は塞ぎ混むようになりその状態は一年経っても改善する事はなかった。
仲が良いとは言えこの一年変わらなかった事を痛感しあきらは訴えかけた。
「鬼龍が必要なんだよ、あの子には
家族じゃないと駄目なんだって」
「うるせぇ」
話を切り出したところ鬼龍は苛立ったのか道端に座りこんでしまった。
「学校だってサボってばっかで……
高校だってどうするの」
「高校なんざどこだっていいだろ」
何を聞いてもなげやりな答えしか返ってこない鬼龍にあきらは拳を握りしめた。
鬼龍は立ち上がり無言で立ち去ろうとしたがあきらが服を掴んだ。
「ほっといてくれ」
「ほっとけない!心配なんだよ!」
必死な様子のあきらに苛立ち鬼龍はその手を振り払った。
「うぜぇんだよ、いらねぇお節介かきやがって
てめえなんかどうでもいいんだ!!
どっかいけ!!!!」
そうぶちまけてから鬼龍は言ってはいけないことを口にしたとハッと気づいた。
気づいた時には時既に遅し。
思いっきり右頬に平手打ちを食らった。
何すんだとあきらを見た。
泣いていた。
怒りと悲しみと苦しさ、色んな感情がごっちゃ混ぜになったような顔で泣いていた。
「……バカ、紅郎のバカ、紅郎なんか、大っきらい!!!!」
そう言ってあきらは走って帰ってしまった。
それから一週間ほど経って鬼龍は久しぶりに学校に行った。
正直気まずくて会えなったが本心ではない事を言ってしまったし何より謝りたかった。
が、あきらのクラスに本人の姿がない。
休み、かと今度は家に出向いた。
が、チャイムを鳴らしたが誰もでてくる様子がない。
よほど風邪を拗らせたのかと少し心配になった時同じマンションに住む住人が怖がりつつ鬼龍に話しかけた。
「もしかして……[#da=2 #]さんにご用ですか?」
「あ、はい」
「もうお引っ越しなさられて居られませんよ?」
「……は?」
ご存知ありませんでしたか、残念でしたねと言いその住人はそそくさと立ち去りその場には鬼龍だけが残された。
「鬼龍……鬼龍!!」
「ん、ああ、蓮巳の旦那か……
悪い、寝てたか」
今日はライブもあるのに弛んでいるぞと叱咤を受けつつ鬼龍はすまねぇと謝った。
「全く……ん?どうした」
「あ、ああ、悪い、ちょっと昔の夢見てたもんでよ、ちょっとな」
「そうか、そろそろ集合時間だ、遅れないようにな」
と注意されつつ鬼龍は頷いた。
あれから3年以上が経ち鬼龍は夢ノ咲学園に通いアイドルを目指す日々を送っている。
その生活を送るうちに家族と多少は関係が修復し妹とたわいもない話が出来るようになった。
あれ以降あきらとは一度も会えていない。
引っ越し先がどこなのかそれすらも知らずそして鬼龍はそれを調べる事すらしようとはしなかった。
「まさか本当にどっかいっちまうとはな……」
連絡してこないのは本当に会いたくないのではないかとつい思ってしまう。
「っと、そろそろ行かねぇとまずいか」
今日は一般人も交えたイベントだ。
当然紅月のライブもある。
「にしても何で今になって夢見るとはな
今日のイベントに来てたり……はしねぇか」
何てな、と否定して鬼龍は指定場所に向かった。
1/4ページ