第三章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「っっ」
空気が凍りつく。
一番ここで出会ってはいけない人物に遭遇してしまったと仙蔵は舌打ちする。
確かに少し気が緩んでたかもしれないが勿論不審人物が居ないかどうか警戒は怠ってはいなかった。
が、一流の忍者にはその想定を上を行く、気配すら感じ取れなかった。
(目的は巻物と……あきらか……!)
全員が緊張状態の中雑渡を警戒する中雑渡は巻物の中身を見て頷いた。
「うんうん
やっぱ、これいらないね」
返すよ、と重要なはずの巻物を雑渡はぽーんと投げたのを慌てて伊作がキャッチした。
「お、おい
巻物が目的じゃなかったのか?」
「ん?ああまぁそういう風に指令はきてたけど
それあまりにも物騒だからね
逆にこっちの身が危うくなりそうだし」
藪の中をつつくなってね、と雑渡は背を向ける。
「じゃあ何でわざわざ姿を見せるような事を……」
伊作が問いかけると雑渡は答えた。
「……一応部下だしね、生存確認するのは上司の役目さ
尊奈門もうるさかったし
でも君とはもうおさらばだね、利用価値もないし、じゃあね」
と言って去ろうとした雑渡をあきらは慌てて追いかけようとするのを見て六年達は驚いた。
タソガレドキにそのまま着いていくんじゃ、と思ったからである。
しかしあきらは思いっきり頭を下げて叫んだ。
「今まで!!お世話になりました!!組頭!」
雑渡は振り返ることはないままあっそう、とだけ一言を残し今度こそ遠く去っていった。
あきらが顔を上げると既に雑渡の姿はない。
「あきら……そんなにタソガレドキが気に入ったのか?
お前あいつらの事大嫌いだったろ」
「……別に肩入れるほどでもないけど……
一応世話にはなったからね、お礼は言わないと」
留三郎はお前らしいな、と誰もいない野原を見渡した。
「……ともあれこれでタソガレドキからは襲撃はなくなったな
他の城の忍者に気づかれる前に帰るぞ」
留三郎達は頷きその場から動こうとしたがあきらはぴたりと足を止めてしまった。
もしや歩けないほど痛めてしまったのか?と留三郎は思った。
「どうした、あきら
誰かに担いでもらうか?」
しかしあきらは首を横に振る。
「……違う、そうじゃなくて」
「だったらなんだよ」
「ほんとに帰っていいの……?」
あきらは顔を歪めて問いかける。
許されない事をしてきた罪悪感から顔を見れず俯く。
「私、留三郎達を裏切ったんだよ?
そんな……裏切り者が帰っても……」
合わせる顔がない、と言わんばかりにあきらは言葉を詰まらせる。
仙蔵は溜め息をついた。
「別にいいだろう
お前に離反の意思があったとしてと表向きには連れ去れたと言っておけば問題ない」
「……分からない」
「何がだ?」
「知り合って間もない赤の他人にどうしてそんな温情かけてくれるの
しかも……私は天女なのに」
伊作ならそうするだろうけど憎いはずの人物に情けをかけてくれるほどこの男は優しくない。
そんな疑心を抱いていたあきらに仙蔵は驚愕の事実を言う。
「そんなのお前が六年勉学を共にした級友だからに決まっているだろう」
あきらは一瞬仙蔵が言っている言葉の意味が理解出来ず固まった。
六年?勉学を共にした?
こっちにきてから一緒に忍術を学んだがそんなに長くは……とここまできてあきらは言葉の意味を理解する。
「えっと……つまり……?」
「まぁあれだな、前世の記憶を思い出した……というやつだ
私のみならず全員思い出している」
「全員!?!?いつの間に思い出してたんだよ!!
くそ、さっきの戦いでか、もう少し早く思い出してりゃ……」
あきらと交戦するはめにならなかったのにと苦言した留三郎に仙蔵が訂正した。
「留三郎それなんだがな……
実は思い出した順番……お前が最後だ」
空気が凍りつく。
一番ここで出会ってはいけない人物に遭遇してしまったと仙蔵は舌打ちする。
確かに少し気が緩んでたかもしれないが勿論不審人物が居ないかどうか警戒は怠ってはいなかった。
が、一流の忍者にはその想定を上を行く、気配すら感じ取れなかった。
(目的は巻物と……あきらか……!)
全員が緊張状態の中雑渡を警戒する中雑渡は巻物の中身を見て頷いた。
「うんうん
やっぱ、これいらないね」
返すよ、と重要なはずの巻物を雑渡はぽーんと投げたのを慌てて伊作がキャッチした。
「お、おい
巻物が目的じゃなかったのか?」
「ん?ああまぁそういう風に指令はきてたけど
それあまりにも物騒だからね
逆にこっちの身が危うくなりそうだし」
藪の中をつつくなってね、と雑渡は背を向ける。
「じゃあ何でわざわざ姿を見せるような事を……」
伊作が問いかけると雑渡は答えた。
「……一応部下だしね、生存確認するのは上司の役目さ
尊奈門もうるさかったし
でも君とはもうおさらばだね、利用価値もないし、じゃあね」
と言って去ろうとした雑渡をあきらは慌てて追いかけようとするのを見て六年達は驚いた。
タソガレドキにそのまま着いていくんじゃ、と思ったからである。
しかしあきらは思いっきり頭を下げて叫んだ。
「今まで!!お世話になりました!!組頭!」
雑渡は振り返ることはないままあっそう、とだけ一言を残し今度こそ遠く去っていった。
あきらが顔を上げると既に雑渡の姿はない。
「あきら……そんなにタソガレドキが気に入ったのか?
お前あいつらの事大嫌いだったろ」
「……別に肩入れるほどでもないけど……
一応世話にはなったからね、お礼は言わないと」
留三郎はお前らしいな、と誰もいない野原を見渡した。
「……ともあれこれでタソガレドキからは襲撃はなくなったな
他の城の忍者に気づかれる前に帰るぞ」
留三郎達は頷きその場から動こうとしたがあきらはぴたりと足を止めてしまった。
もしや歩けないほど痛めてしまったのか?と留三郎は思った。
「どうした、あきら
誰かに担いでもらうか?」
しかしあきらは首を横に振る。
「……違う、そうじゃなくて」
「だったらなんだよ」
「ほんとに帰っていいの……?」
あきらは顔を歪めて問いかける。
許されない事をしてきた罪悪感から顔を見れず俯く。
「私、留三郎達を裏切ったんだよ?
そんな……裏切り者が帰っても……」
合わせる顔がない、と言わんばかりにあきらは言葉を詰まらせる。
仙蔵は溜め息をついた。
「別にいいだろう
お前に離反の意思があったとしてと表向きには連れ去れたと言っておけば問題ない」
「……分からない」
「何がだ?」
「知り合って間もない赤の他人にどうしてそんな温情かけてくれるの
しかも……私は天女なのに」
伊作ならそうするだろうけど憎いはずの人物に情けをかけてくれるほどこの男は優しくない。
そんな疑心を抱いていたあきらに仙蔵は驚愕の事実を言う。
「そんなのお前が六年勉学を共にした級友だからに決まっているだろう」
あきらは一瞬仙蔵が言っている言葉の意味が理解出来ず固まった。
六年?勉学を共にした?
こっちにきてから一緒に忍術を学んだがそんなに長くは……とここまできてあきらは言葉の意味を理解する。
「えっと……つまり……?」
「まぁあれだな、前世の記憶を思い出した……というやつだ
私のみならず全員思い出している」
「全員!?!?いつの間に思い出してたんだよ!!
くそ、さっきの戦いでか、もう少し早く思い出してりゃ……」
あきらと交戦するはめにならなかったのにと苦言した留三郎に仙蔵が訂正した。
「留三郎それなんだがな……
実は思い出した順番……お前が最後だ」