第三章
夢小説設定
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事態の説明をすると言った男をあきらは訝しがった。
というかさっきまで全然姿を見かけなかったがどこにいたのか。
そんな疑問を抱いたのだが口にも出していないのに男はその問いに答えた。
「しばらく身を潜ませていたのですよ
戦いに巻き込まれるのは些か好みませんので」
と男が言ってから留三郎はこの場にいた他の者の存在を思い出した。
「伊作たちは……!?」
「そうだ、もしかして巻き込まれた……とかないよね……?」
「ああご友人でしたらご安心を、無事ですよ
ついでに避難させときましたから」
ほら、と男は腕を振ると先ほどまで何もなかったはずの空間に伊作達が現れた。
慌てて駆け寄るとやはり寝ている。
「寝ているのはあなたがかけた術によるものですね
術自体は既に解けているのでじき目が覚めます」
もうすぐ目が覚めると聞いてあきらは安堵した。
もし命まで奪ってしまっていたら……無事で本当に良かった。
それにしても……
「お前……一体なんなんだ……?」
留三郎が問うと男はにぃ、と笑みを浮かべる。
「単なる商売人、ですよ」
「では改めて本題に入りましょうか
この人が何故このような事になったかと言いますと……
先ほどの人間ざらなる力の対価として寿命を使った結果……使いきってしまったからですね」
「寿命を使いきったということは……もう死んでいるということか……?」
男はええ、と頷いた。
いや、だが。
「ちょっと待って
あの城主は命を差し出すなんて一言も言ってない」
男は首を傾げ、言いましたよ『何を持っててもいい』と仮に命を使うと言っても頷いたと思いますがね、とさらりと言った。
あきらは唖然と口を開ける。
そんなの詐欺といっても過言ではない。
確かに男は切羽っていたし命を代償に、と言われてもそうしたような気がする。
でも……こんなのは、間違っている。
拳をぎゅっと握りしめたあきらを留三郎は複雑そうな目で見てからもう一つ質問を投げた。
「お前が関わっていたということは……お前を倒せばもう忍術学園に天女は降ってこないんだな?」
留三郎は身を起こして男を睨む。
「そうですね、しかしもう一つ方法はあります
先ほど崩れたあの人の中に巻物があるはずです」
留三郎は睨みを続けたまま城主へと歩みを進めた。
……城主の体は人間の形を残しておらず服の間に石がつまっているオブジェとかしていた。
こうなんというか墓をほじくり返しているようないたたまれない気持ちを感じながら石をどけると確かに一本の巻物がある。
「あったぞ
これがなんだって?」
「それは私の力を施した巻物です
天女を降らせたのもあなた方の学園を崩壊したのもその巻物の影響によるものです
それを焼けばもう学園に天女が舞い込むこともなくなるでしょう」
「待て、それを行っているのはお前じゃなかったのか……?
さっき対価がどうのこうとか」
商売人はああ……と呟いた。
「それ、嘘です
あくまでも巻物の力であって私が行っているわけではありません
城主には少し申し訳ない気持ちですね、ああもトントン拍子に儲けが舞い込むとは思わなくてつい……欲が出てしまいました
……最後の方はオプション外……いや、失敬
対象外でしたので直接となってしまいましたが」
……ともかくこの商売人は危険だ、排除出来るのならした方がいいと考え立ち上がろうとしたあきらを見てか商売人はやめといた方がいいですよと制止したがあきらの耳には入らなかった。
しかし武器を手に取り立ち上がったあきらは体の傷が開くのを感じ呻いて崩れ落ちてしまう。
「おいっ、あきら!?」
「だからやめといた方がいい、と言ったのに……
もう貴方の体は普通の人間ですから無理をすると危険ですよ」
それにしてもこの商売人は何故私たちにこうも情報を教えたりするのだろう。
人間ざらなる力、嘘を言っているのに真実を語るかのように錯覚する声……
まるで……のようだ、と思うとあきらはぞくりと悪寒が走った。
悪寒の元は商売人。
それ以上考えてはいけないと脳に警告が走る。
今は何があっても上機嫌なこの男の気分を害しては……いけない。
「……………………」
こうして視線を向けられているだけで息が詰まり冷や汗が浮いてくる。
商売人から意識を移したところでようやく呼吸ができた。
商売人は何事もなかったかのように窓際の方へと移動した。
「では、私はこれで」
「ま、待て!」
留三郎が追いかけるのと同時に商売人の体から何かが抜け落ちた。
床にばさりと着物が落ちる。
拾い上げるとそれはただの布切れだった。
「……一体何がどうなってんだ……?」
さっきまで話していた人物が消えたことに困惑する留三郎とあきらだった。
というかさっきまで全然姿を見かけなかったがどこにいたのか。
そんな疑問を抱いたのだが口にも出していないのに男はその問いに答えた。
「しばらく身を潜ませていたのですよ
戦いに巻き込まれるのは些か好みませんので」
と男が言ってから留三郎はこの場にいた他の者の存在を思い出した。
「伊作たちは……!?」
「そうだ、もしかして巻き込まれた……とかないよね……?」
「ああご友人でしたらご安心を、無事ですよ
ついでに避難させときましたから」
ほら、と男は腕を振ると先ほどまで何もなかったはずの空間に伊作達が現れた。
慌てて駆け寄るとやはり寝ている。
「寝ているのはあなたがかけた術によるものですね
術自体は既に解けているのでじき目が覚めます」
もうすぐ目が覚めると聞いてあきらは安堵した。
もし命まで奪ってしまっていたら……無事で本当に良かった。
それにしても……
「お前……一体なんなんだ……?」
留三郎が問うと男はにぃ、と笑みを浮かべる。
「単なる商売人、ですよ」
「では改めて本題に入りましょうか
この人が何故このような事になったかと言いますと……
先ほどの人間ざらなる力の対価として寿命を使った結果……使いきってしまったからですね」
「寿命を使いきったということは……もう死んでいるということか……?」
男はええ、と頷いた。
いや、だが。
「ちょっと待って
あの城主は命を差し出すなんて一言も言ってない」
男は首を傾げ、言いましたよ『何を持っててもいい』と仮に命を使うと言っても頷いたと思いますがね、とさらりと言った。
あきらは唖然と口を開ける。
そんなの詐欺といっても過言ではない。
確かに男は切羽っていたし命を代償に、と言われてもそうしたような気がする。
でも……こんなのは、間違っている。
拳をぎゅっと握りしめたあきらを留三郎は複雑そうな目で見てからもう一つ質問を投げた。
「お前が関わっていたということは……お前を倒せばもう忍術学園に天女は降ってこないんだな?」
留三郎は身を起こして男を睨む。
「そうですね、しかしもう一つ方法はあります
先ほど崩れたあの人の中に巻物があるはずです」
留三郎は睨みを続けたまま城主へと歩みを進めた。
……城主の体は人間の形を残しておらず服の間に石がつまっているオブジェとかしていた。
こうなんというか墓をほじくり返しているようないたたまれない気持ちを感じながら石をどけると確かに一本の巻物がある。
「あったぞ
これがなんだって?」
「それは私の力を施した巻物です
天女を降らせたのもあなた方の学園を崩壊したのもその巻物の影響によるものです
それを焼けばもう学園に天女が舞い込むこともなくなるでしょう」
「待て、それを行っているのはお前じゃなかったのか……?
さっき対価がどうのこうとか」
商売人はああ……と呟いた。
「それ、嘘です
あくまでも巻物の力であって私が行っているわけではありません
城主には少し申し訳ない気持ちですね、ああもトントン拍子に儲けが舞い込むとは思わなくてつい……欲が出てしまいました
……最後の方はオプション外……いや、失敬
対象外でしたので直接となってしまいましたが」
……ともかくこの商売人は危険だ、排除出来るのならした方がいいと考え立ち上がろうとしたあきらを見てか商売人はやめといた方がいいですよと制止したがあきらの耳には入らなかった。
しかし武器を手に取り立ち上がったあきらは体の傷が開くのを感じ呻いて崩れ落ちてしまう。
「おいっ、あきら!?」
「だからやめといた方がいい、と言ったのに……
もう貴方の体は普通の人間ですから無理をすると危険ですよ」
それにしてもこの商売人は何故私たちにこうも情報を教えたりするのだろう。
人間ざらなる力、嘘を言っているのに真実を語るかのように錯覚する声……
まるで……のようだ、と思うとあきらはぞくりと悪寒が走った。
悪寒の元は商売人。
それ以上考えてはいけないと脳に警告が走る。
今は何があっても上機嫌なこの男の気分を害しては……いけない。
「……………………」
こうして視線を向けられているだけで息が詰まり冷や汗が浮いてくる。
商売人から意識を移したところでようやく呼吸ができた。
商売人は何事もなかったかのように窓際の方へと移動した。
「では、私はこれで」
「ま、待て!」
留三郎が追いかけるのと同時に商売人の体から何かが抜け落ちた。
床にばさりと着物が落ちる。
拾い上げるとそれはただの布切れだった。
「……一体何がどうなってんだ……?」
さっきまで話していた人物が消えたことに困惑する留三郎とあきらだった。