第三章
夢小説設定
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事の顛末を聞いた六年生達は作り話……とは受け取らずそれが真実なのだと信じた。
人の心を操ったりこの世の人間ではない者を呼びこんだりと不思議な事だらけだが現に起こっている以上信じざるをおえない。
「で、城主、その巻物はどこにあるんだ?」
「そ、それは……」
城主は言い淀んだが仙蔵は目線が泳いだ先が胸元である事に気付いた。
「なるほど、服の中か」
「うっ」
城主はみるみるうちに青ざめた。
あれを失えば終わりだ、あれを失うわけにはいかない。
失うにしてもせめて……一矢報いるくらいはー
その時天守閣にもう二人やってきた。
その二人のうち一人の姿をみて城主は口角を吊り上げた。
よかった、まだ運は残っていたらしい。
揃ってはいけないピースが揃った。
「留三郎!あきらちゃん!?」
何でここに、と伊作は驚いた。
見つけたら脱出して、とお願いしたはずなのに。
留三郎はジェスチャーで、ごめん、と謝った。
「ごめん、て……何かあったらどうするのさ」
「そこは俺が何とかするから!
あきらがどうしても行くって聞かねーんだよ」
二人を余所にあきらは城主を見据えた。
拘束が優先度高いのか幸い仙蔵らは何もしてこずちらりとこちらを伺っているだけだ。
(あれがソザナイタケ城主…………)
仙蔵達に拘束されている男こそが城主だろう。
恐らく先ほどまで一連の事件について聞かれていたに違いない。
これからあきらも城主に聞くことがあるのだ。
そしてもう二度と忍術学園に襲うことがないようにしなければ。
しかし、あきらは目の前の男の異変に気付かない、あきらのみならずこの場にいる者全員が気付かなかった。
あきらが近づこうとした時城主が叫んだ。
「おい!今すぐあれをやれ!!」
「!?」
突如叫んだ城主に仙蔵達は飛び退いた。
手を拘束しているので攻撃は出来ないはずだが何をしてくるかわからない。
隅の方にいた男が答える。
「……ですがもう代金は用意できないでしょう?」
「それはあとでどうにかする!何を持っていってもいい!」
「畏まりました」
何でもいいから、と言う城主に男は微笑んだ。
城主が叫んだ瞬間あきらはがくん、と糸が切れたように膝をついた。
バクバク、と鼓動が大きい、自分の体が自分でない物に変わるような感覚。
はあはあ、と大きく息をしてあきらは忍術学園から去る少し前の出来事を思い出した。
『一つ聞くけどあきらちゃんって本当に怪しげな術とかは使えないんだよね?』
確かめるように伊作に問われあきらは頷く。
生まれてこのかた、この世界にやってきてからもそんな異変は起きたことはない。
試しにこっそり練り物が嫌いな土井先生に練り物が好きになれーなんて念じてみたがやはり土井先生は練り物が嫌いなようで食堂のおばちゃんに怒られていた。
身体能力も普通、もちろん訓練するようになって向上はするけれど人間離れした能力なんてない。
そう伝えると伊作は良かったと言う。
でも……と伊作は不思議そうに考えて呟く。
『なんであきらちゃんだけなんだろう』
人の心を操ったりこの世の人間ではない者を呼びこんだりと不思議な事だらけだが現に起こっている以上信じざるをおえない。
「で、城主、その巻物はどこにあるんだ?」
「そ、それは……」
城主は言い淀んだが仙蔵は目線が泳いだ先が胸元である事に気付いた。
「なるほど、服の中か」
「うっ」
城主はみるみるうちに青ざめた。
あれを失えば終わりだ、あれを失うわけにはいかない。
失うにしてもせめて……一矢報いるくらいはー
その時天守閣にもう二人やってきた。
その二人のうち一人の姿をみて城主は口角を吊り上げた。
よかった、まだ運は残っていたらしい。
揃ってはいけないピースが揃った。
「留三郎!あきらちゃん!?」
何でここに、と伊作は驚いた。
見つけたら脱出して、とお願いしたはずなのに。
留三郎はジェスチャーで、ごめん、と謝った。
「ごめん、て……何かあったらどうするのさ」
「そこは俺が何とかするから!
あきらがどうしても行くって聞かねーんだよ」
二人を余所にあきらは城主を見据えた。
拘束が優先度高いのか幸い仙蔵らは何もしてこずちらりとこちらを伺っているだけだ。
(あれがソザナイタケ城主…………)
仙蔵達に拘束されている男こそが城主だろう。
恐らく先ほどまで一連の事件について聞かれていたに違いない。
これからあきらも城主に聞くことがあるのだ。
そしてもう二度と忍術学園に襲うことがないようにしなければ。
しかし、あきらは目の前の男の異変に気付かない、あきらのみならずこの場にいる者全員が気付かなかった。
あきらが近づこうとした時城主が叫んだ。
「おい!今すぐあれをやれ!!」
「!?」
突如叫んだ城主に仙蔵達は飛び退いた。
手を拘束しているので攻撃は出来ないはずだが何をしてくるかわからない。
隅の方にいた男が答える。
「……ですがもう代金は用意できないでしょう?」
「それはあとでどうにかする!何を持っていってもいい!」
「畏まりました」
何でもいいから、と言う城主に男は微笑んだ。
城主が叫んだ瞬間あきらはがくん、と糸が切れたように膝をついた。
バクバク、と鼓動が大きい、自分の体が自分でない物に変わるような感覚。
はあはあ、と大きく息をしてあきらは忍術学園から去る少し前の出来事を思い出した。
『一つ聞くけどあきらちゃんって本当に怪しげな術とかは使えないんだよね?』
確かめるように伊作に問われあきらは頷く。
生まれてこのかた、この世界にやってきてからもそんな異変は起きたことはない。
試しにこっそり練り物が嫌いな土井先生に練り物が好きになれーなんて念じてみたがやはり土井先生は練り物が嫌いなようで食堂のおばちゃんに怒られていた。
身体能力も普通、もちろん訓練するようになって向上はするけれど人間離れした能力なんてない。
そう伝えると伊作は良かったと言う。
でも……と伊作は不思議そうに考えて呟く。
『なんであきらちゃんだけなんだろう』