第三章
夢小説設定
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パチリと目を開けるとまだ空は暗かった。
まだ日が上ってないのに目が覚めてしまったらしい。
むくりと身を起こすと雑渡と目があった。
「まだ夜中だ、寝てろ」
そうか夜営するなら見張りが必要だ、恐らく諸泉と交代で夜番をしていたのだろう。
焚き火の火はもう消えていて明かりがないが幸い月明かりが差していて辛うじて顔は見える。
「夜番代わりますよ、目覚めてしまったので」
「気遣いはありがたいがよそ者に見張りは任せられない
勝手に起きてる分には構わないがね」
「じゃあもうちょっと起きてます」
雑渡はそうか、と言うと水筒をずずっと啜った。
「…………」
「…………」
起きてます、とは言ったものの会話の種かあるわけでもなし沈黙が続くと思ったら雑渡が口を開いた。
「時に聞くけど」
「何ですか?」
「君ってほんとに天女?」
ほんとに未来から来たの?と雑渡はまじまじとあきなを見る。
「何か今までの天女と違うんだよね
もしかして実はくの一とかじゃないよね」
その違和感はあきらがかつて忍術学園の生徒として生きていたことから生じるものだ。
この事は誰にも言っていないが何か違うと雑渡のみならず他の人も薄々思っているかもしれないが……
ともかくこの前世の事を言うのは悪手なはずなのだが何故だかあきらは話していた。
「……おかしな話だと思われるかもしれないのですが」
「うん」
「前世が忍術学園のくのたまだったんです」
「へぇーそうなんだ」
あっさり受け入れた雑渡に驚愕する。
「へぇー……ってそんなほいほい信じます!?」
「だって君、前からボロ出してるし
兵糧丸とか見た瞬間に嫌な顔してたし
あれは味を知ってる顔でしょ、その他にも……」
「わ、わかりましたから……!」
ぐぐ……と羞恥心で顔が赤くなる。
「それにしても君が過去の忍術学園の生徒だったとはね
どれくらい前の生徒だったんだい?十年前くらい?」
「……いえそれがちょっと説明しづらいんですが……」
あきらは事の経緯を話した。
今回は雑渡も目を見開いて驚いている。
無理もない。
「……要するに君は今の六年生達と懇意であり一緒に忍術を学んでいた……と
そして卒業の手前に命を落とした……か」
「はい、なので雑渡さんにも会ってますね」
「うーん、全然覚えてないな……」
「無理もないですよ
忍術学園でも以前の私を知っていたのは四年の綾部だけでしたから」
先生方もあきらの事を思い出したような様子はない。
しかし、現状思い出して貰わない方がいいのかもしれない。
「寂しくない?自分の事思い出してほしくないの?」
「……いえ、むしろ思い出してほしくないです
思い出してもこんがらがるだけでしょうから
それにもうそんな事を言える立場でもありませんし」
「君を誘ったのは我々だが……
本当にいいのかい、彼らと戦うことになっても」
「確かに私は彼らと共に学んだくのたまでした
けど同時に天女と呼ばれる存在でもあるんです
ほんとはあそこにいるべきではなかった……」
唇をかみしめる。
「それにもう覚悟は決めましたから
それよりこんな火種を置いといてそっちこそいいんですか?何が起こるか分かりませんよ」
「それも込みで君を利用してるのさ」
不適な笑みを浮かべる雑渡にあきらは吹き出した。
「君ねぇ、せっかく大人が気づかってるのに笑うのはどうかと思うよ」
「すみません、まさかあなたとこんな話をするなんて以前では全く考えられなかったので」
「……もしかして私嫌われてた?」
「嫌うというより単純にしょっちゅう侵入してくる曲者……っていう印象でしたね
それ以上も、それ以下もないです
まぁ強いていうなら苦手といった感じですかね」
「残念だなーー私は結構君のこと気に入ってるんだけどなー」
「え……」
「そんな引いた目で見ないでほしいな
それ結構心に響くんだよ?」
あきらは冗談ですよ、と訂正した。
そんな二人の話をこっそり聴いている者が一人。
目が覚めた諸泉だったが。
交代までもう少し寝るか……と思うととんでもない話が始まってしまい諸泉は寝るに寝れなくなってしまった。
まだ日が上ってないのに目が覚めてしまったらしい。
むくりと身を起こすと雑渡と目があった。
「まだ夜中だ、寝てろ」
そうか夜営するなら見張りが必要だ、恐らく諸泉と交代で夜番をしていたのだろう。
焚き火の火はもう消えていて明かりがないが幸い月明かりが差していて辛うじて顔は見える。
「夜番代わりますよ、目覚めてしまったので」
「気遣いはありがたいがよそ者に見張りは任せられない
勝手に起きてる分には構わないがね」
「じゃあもうちょっと起きてます」
雑渡はそうか、と言うと水筒をずずっと啜った。
「…………」
「…………」
起きてます、とは言ったものの会話の種かあるわけでもなし沈黙が続くと思ったら雑渡が口を開いた。
「時に聞くけど」
「何ですか?」
「君ってほんとに天女?」
ほんとに未来から来たの?と雑渡はまじまじとあきなを見る。
「何か今までの天女と違うんだよね
もしかして実はくの一とかじゃないよね」
その違和感はあきらがかつて忍術学園の生徒として生きていたことから生じるものだ。
この事は誰にも言っていないが何か違うと雑渡のみならず他の人も薄々思っているかもしれないが……
ともかくこの前世の事を言うのは悪手なはずなのだが何故だかあきらは話していた。
「……おかしな話だと思われるかもしれないのですが」
「うん」
「前世が忍術学園のくのたまだったんです」
「へぇーそうなんだ」
あっさり受け入れた雑渡に驚愕する。
「へぇー……ってそんなほいほい信じます!?」
「だって君、前からボロ出してるし
兵糧丸とか見た瞬間に嫌な顔してたし
あれは味を知ってる顔でしょ、その他にも……」
「わ、わかりましたから……!」
ぐぐ……と羞恥心で顔が赤くなる。
「それにしても君が過去の忍術学園の生徒だったとはね
どれくらい前の生徒だったんだい?十年前くらい?」
「……いえそれがちょっと説明しづらいんですが……」
あきらは事の経緯を話した。
今回は雑渡も目を見開いて驚いている。
無理もない。
「……要するに君は今の六年生達と懇意であり一緒に忍術を学んでいた……と
そして卒業の手前に命を落とした……か」
「はい、なので雑渡さんにも会ってますね」
「うーん、全然覚えてないな……」
「無理もないですよ
忍術学園でも以前の私を知っていたのは四年の綾部だけでしたから」
先生方もあきらの事を思い出したような様子はない。
しかし、現状思い出して貰わない方がいいのかもしれない。
「寂しくない?自分の事思い出してほしくないの?」
「……いえ、むしろ思い出してほしくないです
思い出してもこんがらがるだけでしょうから
それにもうそんな事を言える立場でもありませんし」
「君を誘ったのは我々だが……
本当にいいのかい、彼らと戦うことになっても」
「確かに私は彼らと共に学んだくのたまでした
けど同時に天女と呼ばれる存在でもあるんです
ほんとはあそこにいるべきではなかった……」
唇をかみしめる。
「それにもう覚悟は決めましたから
それよりこんな火種を置いといてそっちこそいいんですか?何が起こるか分かりませんよ」
「それも込みで君を利用してるのさ」
不適な笑みを浮かべる雑渡にあきらは吹き出した。
「君ねぇ、せっかく大人が気づかってるのに笑うのはどうかと思うよ」
「すみません、まさかあなたとこんな話をするなんて以前では全く考えられなかったので」
「……もしかして私嫌われてた?」
「嫌うというより単純にしょっちゅう侵入してくる曲者……っていう印象でしたね
それ以上も、それ以下もないです
まぁ強いていうなら苦手といった感じですかね」
「残念だなーー私は結構君のこと気に入ってるんだけどなー」
「え……」
「そんな引いた目で見ないでほしいな
それ結構心に響くんだよ?」
あきらは冗談ですよ、と訂正した。
そんな二人の話をこっそり聴いている者が一人。
目が覚めた諸泉だったが。
交代までもう少し寝るか……と思うととんでもない話が始まってしまい諸泉は寝るに寝れなくなってしまった。