過去編
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「留三郎そろそろ行こう」
「………………ああ」
忍術学園の敷地内の外れであきらの火葬が行われようとしていた。
集まった者はあきらと関わりのある者たちのみだ。
あきらの両親は深々と頭を下げた。
「皆様今日は集まっていただきありがとうございます
学園長様も知らせを急いで届けてくださり誠に……」
中々顔を上げようとしない二人に学園長はよい、と声をかけた。
「では火葬を行う前にもう一度顔がみたい者は前へ出てきてくれ」
用具委員会等が出るなか伊作は留三郎がぼーっとしているのに気付いた。
「ほら、留三郎」
「あ、ああ」
再びぐずり始まる下級生をよそに留三郎は気味が悪いくらい静かだった。
そして火に灯された。
火が段々大きくなるのを涙もしない留三郎を周りはどこか不安そうに見ている。
火葬が終わり解散となったのだが留三郎はあきらの両親に引き留められた。
「君が留三郎くん……だね?」
「あ、はい、そうです」
そうか……君が……とあきらの父は納得するように頷いたあと懐から何かを出した。
それは死に際まで身につけていた髪紐だった。
「これを君に持ってほしい」
「でも、これってあいつの形見じゃ!!
受け取れません」
「会って分かったよ
君は娘にとって大事な人だと」
あきらの父は語る。
買った覚えのない髪紐を見て娘は誰かに思いを寄せていると。
母には伝えたようだが父には打ち明けてはうれなかった。
震える留三郎の手にあきらの父はそっと髪紐を握らせた。
「この髪紐を……娘だと思って受け取ってくれないか?」
「……はい、一生!大事にします……!!」
留三郎は涙を滲ませ答えた。
そんな留三郎を残りの六年たちはひっそりと遠くの方から見守っていた。
「………………ああ」
忍術学園の敷地内の外れであきらの火葬が行われようとしていた。
集まった者はあきらと関わりのある者たちのみだ。
あきらの両親は深々と頭を下げた。
「皆様今日は集まっていただきありがとうございます
学園長様も知らせを急いで届けてくださり誠に……」
中々顔を上げようとしない二人に学園長はよい、と声をかけた。
「では火葬を行う前にもう一度顔がみたい者は前へ出てきてくれ」
用具委員会等が出るなか伊作は留三郎がぼーっとしているのに気付いた。
「ほら、留三郎」
「あ、ああ」
再びぐずり始まる下級生をよそに留三郎は気味が悪いくらい静かだった。
そして火に灯された。
火が段々大きくなるのを涙もしない留三郎を周りはどこか不安そうに見ている。
火葬が終わり解散となったのだが留三郎はあきらの両親に引き留められた。
「君が留三郎くん……だね?」
「あ、はい、そうです」
そうか……君が……とあきらの父は納得するように頷いたあと懐から何かを出した。
それは死に際まで身につけていた髪紐だった。
「これを君に持ってほしい」
「でも、これってあいつの形見じゃ!!
受け取れません」
「会って分かったよ
君は娘にとって大事な人だと」
あきらの父は語る。
買った覚えのない髪紐を見て娘は誰かに思いを寄せていると。
母には伝えたようだが父には打ち明けてはうれなかった。
震える留三郎の手にあきらの父はそっと髪紐を握らせた。
「この髪紐を……娘だと思って受け取ってくれないか?」
「……はい、一生!大事にします……!!」
留三郎は涙を滲ませ答えた。
そんな留三郎を残りの六年たちはひっそりと遠くの方から見守っていた。
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