はあはあと息を上げているあきら。

何回かやってみたもののまるで当たらない。

(こ、こんなに手裏剣当てるの難しかったっけ？？？嘘だろ…………)

ショックのあまりあきらは地面に手をついた。

「いやはや、こんなに下手くそだとは思わなかったぞ………………」

見かねた仙蔵はあきらの傍に寄り、肩に手を置いた。

「悪い事は言わん、今からでも遅くない、
学園長に止めてもらうように言ったらどうだ
お前では無理だ」

仙蔵の厳しい言葉に対し伊作が庇った。

「そんな厳しい事言わなくたっていいじゃないか、
初めてなんだし、そもそも護衛を兼ねてるんだから止めれるわけないじゃないか」

「しかしな、下手くそな奴をこのまま参加させたら、
更にめんどくさいことになるぞ
忍者の練習はけして甘くない、いずれ怪我するに決まってるだろう」

仙蔵と伊作が口論してるのを見つつ、留三郎はあきらに声をかけた。

「おい、大丈夫か？あきら？
あんな言葉気にする必要なんかねーよ」

「……………………なめやがって」

あきらが何かを言った。

「すまん、聞き取れなかった
何て？」

伊作と、仙蔵も振り返り、耳を傾けた。

あきらは立ちあがった。

「さっきから黙って聞いてりゃ下手くそだの
なんだの……………………！！
下手くそなのは認める、じゃあ、
今から練習して百発百中的に当てれば問題ないな！！！！！！」

(いや、そういう問題じゃ………………！)

「まぁ、いいだろう、
今日の夕方までに10回中10回当てればとりあえずは保留にしといてやる」

「仙蔵………………！！
条件キツすぎない……！？！？
せめて8回とか…………」

伊作は抗議したが、留三郎が止めた。

「あきらが百発百中って言ったんだ
そうするしかないだろ」


(今から夕方まで数刻しかねえ…………
正直難しいとは思う、けど、あきらなら何とか出来るんじゃないかって不思議と思うんだ)