翌日、あきらは中庭にいた。

「さて、今日は実技練習を行う」

ふむふむと頷くあきらは違和感に気付いた。

仙蔵、伊作、留三郎の3人しかいない。

残りの3人はどこに行ったのだろうか。


「ああ、残りの3人か
今日は簡単な事をを教えるだけだからな
残りは自主練習をしている
ちなみにローテーションで変える予定だ」

なるほど、別に6人全員で教える必要性も
ないし、私に付きっきりでは六年の授業の方が疎かになるという事か。

「いきなり私達の実習に合わる事は出来ないからな、最低限必要な事は身に付けてもらうぞ」

「了解、で？今日は何するの？」

「今日はね、手裏剣の練習だよ
あそこの的に当てるだけだからそんなに難しくはないと思うけど」

伊作は遠くの的を指差して言った。

(しばらくやってないから、当てるかな……
まぁ、一年は組のよいこみたいな事にはならないか)

「これが手裏剣だ、あきら気を付けて持てよ、下手したら怪我するからな」

「留三郎は過保護だなあ」
伊作は苦笑している。

「危険な事には変わりないだろ！」

「分かった、気を付けるから離れて
留三郎が邪魔で手裏剣が打てない」

留三郎はしぶしぶ引き下がったと同時に仙蔵がある事に気付いた。

(打つ……？手裏剣を投げる動作を打つというのは、皆習っているが教わってもないのに何故知っている？)


あきらは的を見据え、片腕を大きく振りかぶって手裏剣を打った。

しかし、的の中心に当たらないどころか的から大きくハズレてしまった。。

(えっっ、ま、まぁ、久方振りだし、感覚が掴めてないだけ、大丈夫)


「留三郎、これって」

「ああ…………下手だな」

「一年のは組のよいこレベルだな
土井先生と山田先生に指導方法聞くか……」